日本地震再保険株式会社様

導入時期 : 2013年

業種: 金融

導入サービス : アライアンスセンター

東日本大震災以降、震災時の保険金支払い機能の重要性が増しています。1~2週間での支払業務の稼働を実現するDRサイトとして求めた要件とは…
 

右から、管理・企画部 IT・総務グループ杉野正明マネージャー、西脇靖サブマネージャー (日本地震再保険様受付にて撮影)

導入概要

日本地震再保険様ロゴ

日本地震再保険は、メインサイトを完全二重化するDRサイトを構築 

日本地震再保険は、地震保険契約者から預かった保険料の管理・運用を担う国内唯一の機関です。今後の大地震発生時に保険金支払の手続を滞りなく行えるよう、メインサイトを完全二重化するDRサイトを構築。DRサイトに係るNW環境の構築、プロジェクト管理をMKIが行い、データセンターはファーストライディングテクノロジー(以下、FRT-DC)を活用いたしました。

ご採用のポイント

  • メインサイトが使えなくても2-3日で業務再開ができるDRサイト環境
  • お客様の重視するポイントへの対応、コスト意識に見合ったMKIの提案
  • 東京から離れた立地、複数発電所から受電できるFRT-DC

日本地震再保険が求めたDRサイト環境、データセンターはどのようなものだったのか、詳細について、管理・企画部 IT・総務グループ杉野正明マネージャー(写真右)、西脇靖サブマネージャー(写真左)にお聞きしました。

日本地震再保険株式会社について

名 称  : 日本地震再保険株式会社 Japan Earthquake Reinsurance Co.,Ltd.
所在地  : 東京都中央区日本橋小舟町8-1 ヒューリック小舟町ビル4階
設 立 : 昭和41年5月30日
資本金 : 10億円
営業種目 : 地震保険
ホームページ :http://www.nihonjishin.co.jp

※平成25年3月31日現在

1.日本地震再保険の役割

-- はじめに日本地震再保険について教えてください。

当社は、官民一体の形で運営している家計向けの地震保険制度の一翼を担う日本で唯一の家計地震保険の再保険会社で、政府、損害保険会社との再保険手続きを行うとともに、ご契約者からお預かりした保険料の管理・運用を行っています。※詳細は下記図表参照
2011年3月11日発生の東北地方太平洋沖地震(以下、東日本大震災)以降は、メディアにも多く取り上げられており、今後も地震発生の可能性が注目される中、当社の重要性が増していることを感じます。

※地震保険契約の流れ、日本地震再保険の役割(日本地震再保険様HPより作成)

日本地震再保険の役割

2.東日本大震災では通常の半分の期間で被災者に保険金を支払い

-- 東日本大震災の際、どのような活動を行われたのでしょうか。

当社オフィスでは、機能が停止するような大きな被害がなく、損害保険会社へ再保険金を迅速に支払うことができました。その理由は、今回はじめて発動された「概算払」(※1)という、被害地域や被害規模の想定に基づいて契約者向けの保険金を予め損害保険会社に供給する仕組みを活用したことによるものです。

※1  「概算払」とは通常は損害保険会社の請求に基づき再保険を支払う手続きとは異なり、大規模な被害により各損害保険会社の資金繰りが困難になると予想される場合に概算予測の上、各損害保険会社に支払われることをいう。通常2カ月程度かかる手続きに対し、「概算払」は2週間程度で履行される。なお、東日本発生時には、地震発生後73日後(2011年5月23日)までに9,686億円を損害保険会社に供給。また、2014年5月末現在、損害保険会社全体で1兆2345億円の保険金を支払った。

3.再保険制度のシングルポイントとしてITシステムはビジネスに直結

--御社の今後の課題は何でしょうか。

政府からの再々保険金は全て当社を経由して支払われることから、当社は地震保険制度のシングルポイントにあたります。仮にこの機能が滞ると、損害保険会社から契約者の方への保険金支払いが遅延してしまう懸念が生じます。最近、南海トラフや首都直下地震などに注目が集まっていますが、大規模震災発生時にも確実に保険金を支払いできる体制を構築・維持していくことが一番重要だと考えています。

--重要な機能を運営するに当たりITシステムの位置づけはどのようになりますでしょうか。

金融機関一般がそうだと思いますが、サービスの仕組みおよびそれを実現するシステムそのものがビジネスです。その機能が動かなくなるということは、ビジネスが止まることとイコールであり、ITシステムの安全性を確保することは事業継続性を確保することと同じです。

4.DRサイト導入は契約者に対する保険金支払い機能を満たすため必要

-- DRサイトを検討した経緯を教えてください。

東日本大震災以前からDRサイトの構築を検討していましたが、2つの拠点を持つため、大まかに試算すればバックアップシステム、通信回線、データ同期の仕組みの導入などメインシステムだけのときと比較して約2倍のコストがかかることから、手を出しあぐねていました。しかしながら、東日本大震災の被災地の状況を拝見すると、データセンターなど堅固なビルの倒壊はないものの、原発事故など想定外の事故が起こっており、地震災害においては何が起こるか分からないことを改めて実感しました。そして、より安全な環境でITシステムを運営しないと、当社が機能しないために保険金支払に支障をきたすかもしれないという危機感を感じました。また、ITコストの増加についても、保険金を確実に支払うために必要なものであれば、社会からの理解が得られるであろうと判断し、DRサイトを構築することとしました。

-- どのようなスケジュールで検討を進められましたか。

今回、実施したのはメインサイトの移設、DRサイトの新規構築及びシステム基盤の全面刷新です。まずメインサイトの移設は東日本大震災直後の2011年4月頃から動き出しました。次のDRサイトの構築では、DRサイト側のデータセンターとそれに係るNW環境の構築をMKI及びDCアライアンス(※2)を組んでいるFRTに依頼しました。

※2  「DCアライアンス」は電力管轄の異なる国内5社DC事業者によるアライアンス活動。DRサイトの共同提案等を展開中。

5.メインサイトが使えなくても2~3日で業務再開ができるDRサイト環境を目指して

-- DRサイトの導入にあたり、事業復旧の姿、DRサイト切り替えの目標復旧時間(RTO)はどのように設定されましたか。

地震発生後の当社のミッションは再保険金の迅速な支払いです。どのような地震であっても、震災直後から再保険金の支払い準備に動き出し、手続を進められるIT環境が必要です。具体的には地震の被害地域や契約内容に基づく支払額のシミュレーションとともに、損害保険会社各社および政府との連携や情報交換の上、支払額や支払方法を決めていきます。そのため、ノンストップとは言いませんが、被災後数日で、関係者と連携して動きだせる環境が必要です。

-- DRサイト側のシステム構成は、メインサイトと同一のシステム(完全二重化)となっています。

当社のIT要員は2名しかおらず震災時にその2名のIT要員や取引先ITベンダーの技術者がすぐに対応できない可能性があります。そのため、サポートする人員がいなくてもメインサイトと同じ環境ですぐに業務が始められる仕組みでないと、迅速且つ円滑な業務再開は困難であると考えました。また、ハードウェアの更新時期を迎えていたこともあり、仮想化技術を使ってサーバ集約とバックアップシステムも含めてまとめて構築を行えばDRサイトが完全二重化でも予算をある程度抑えることができるであろうと考えました。目標復旧時間(RTO)は2~3日としました。また、地震発生時の自宅作業やセキュリティ等を考慮し、社員の端末環境としてシンクライアントを導入しました。

※メインサイト/DRサイト構成イメージ

メインサイト/DRサイト構成イメージ

6.お客様の重視するポイントへの対応、コスト意識に見合ったMKIの提案

--今回DRサイトの選定にあたり、何社に声をかけられたのでしょうか。MKIの印象はいかがでしたか。

今回の選定は、4社に提案依頼しましたが、会社の規模の割に非常に柔軟性があり、小回りが利く会社という印象を受けました。また、自分たちの薦める提案内容を押し付けるのではなく、当社の要望を相談しやすい会社でした。

-- 今回はDRサイトの導入、そしてNW環境のリプレイスも行われたとのことですが、MKIの提案はいかがでしょうか。

NW、回線まわりの提案は非常に評価していますが、大きな選定ポイントが2つありました。ひとつは、メインサイトからDRサイトへの切り替え、もう一つは外部ASPサービスとの接続です。ひとつ目のDRサイトへの切り替えは、最終的に自動切り替えをメインとしつつ、一部を手動切り替えとしました。他社ベンダーからは、全自動切替だがコストが割高な提案と、手動切替でコストは安いが手順が複雑で切り替えに不安の残る提案があり、当社からみて安全性とコストのバランスがちょうどよいのがMKIの提案でした。重要なところは冗長性を確保する一方で、そうでないところについてはコストを抑えたところも満足のできる点でした。もう一つの外部ASPサービスとの接続については、ASP側の接続に必要なネットワーク構成変更について、他社ベンダーでは“うちはここまでですから”と冷たく突き放されるケースがありましたが、MKIは柔軟にサポートしてくれる提案であり、実際に無事移行することができました。

-- DRサイトの導入PJの管理、納期はいかがでしたか。

今回はDRサイトの構築、シンクライアント導入さらにサーバのリプレースといった当社のシステム基盤全体を丸々入れ替える大掛かりなものとなりました。スケジュール的には他社ベンダーに依頼したサーバ構築の方が押し気味でしたが、逆にMKIはサーバ機器の納入に合わせて回線を引くなど可能な限りコストを抑えられるように柔軟にスケジュール調整をして頂けたので、安心して作業を進められました。

7.東京から離れた立地、2か所の発電所からの受電がよかったFRT-DC

-- DRサイトの選定にあたってはどのような点を重視しましたか。

DRサイトの選定で、当社が最も重視したのは地震発生後の被害であり、国内で想定される大きな地震が起こっても東京と同時に被災しないことを念頭に選定を行いました。あとは、DRサイト側の導入・運用コストを重視しました。

-- 今回DRサイトでご利用いただいたファーストライディングテクノロジーのデータセンター(FRT-DC)を選ばれた理由を教えてください。

FRT-DCのよい点は、電源供給と建物の安全性そして立地です。他社ベンダーの提案では関西圏及び周辺のDCの提案が多かったのですが、検討当時、ちょうど電力不足で騒いでいた時期で、大阪は大丈夫なのかなという印象を持ちました。また、選定をすすめる中で、当社のある東京からみると、首都圏近郊は最新鋭のDCがどんどん建っていますが、地方ではまだまだ選択肢が少なく費用的に割高であること、また、既存の建物をDCに転用した設備が多く、安全性の面で最新の設備を備えているDCは多くないことがわかりました。FRT-DCは免震ビルで建物の安全性が高く、東京から離れた立地もよいと感じました。

-- 先日FRTのDCをご覧になられたとのことでしたが印象はいかがでしょうか。

FRT-DCは発電所の隣接敷地内に位置しており、電力供給で安心できるDCだという印象を持ちました。特に発電所2箇所から電力を引っ張っているDCは本州ではなかなか見かけません。メインサイトのDC選定時に10社以上のDCに声をかけて、かなりの数を見学しましたが、大半は同じ変電所から経路を分けて引いており、変電所を分けているDCはごくわずか、発電所を分けているところは首都圏では聞きませんでした。その点FRT-DCは2か所の発電所につながっており、且つ沖縄には原発もありませんので、電力供給の点では大きなアドバンテージがあると感じました。あと建物は、築10年で決して新しくありませんでしたが、免震という点を評価しました。免震か耐震かは非常に気にしているところで安心感が得られました。ただ、建物自体は最近の最新のDCと比較しても遜色なく、電力についてはむしろ上回っているところが好印象でした。

-- 今回の導入回線は、メインサイト/DRサイトとも冗長化され、バックアップ回線はベストエフォートとなっています。

今回のDRサイトはメインサイトとの完全二重化で同期しているだけではなく、沖縄側も回線をメインとバックアップの2本引いています。バックアップ回線の使用は沖縄に切り替えてかつ、メインが切れる場合だけなので、確率は低いと考えています。その分、コストを抑えるためにバックアップ回線はベストエフォートとしました。さらにDRサイト側にインターネットVPNの設備も設け、社内ネットワークが切れてしまった場合でもインターネット回線経由で社外からDRサイトに接続して業務を継続できる構成としました。

8.MKI/FRT-DCに対する今後の期待

-- 今後のMKI/FRT-DCに関するご意見をお願いします。

DRサイトはスムーズに導入され、現在も特に問題なく運用中ですので、今後も安定した運用の継続を期待しています。特にDRサイトへの切り替えはFRT-DCのオペレータの方に作業の一部を担って頂く想定ですので、そのための訓練も定期的に実施していきたいと考えています。また、ベンダーさんによってはシステムを導入したらそれでお終いで、その後の運用フェーズでは最初に取り決めたことを淡々とこなすのみといった姿勢もみられますが、FRTにはDRサイトを運用するなかで気付いたことについて、MKIと連携して改善策を提案してほしいと考えています。

※本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性がございます。
※記載されている社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。

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