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仮想化最前線 2つの「危機」が仮想化の追い風に

コンピュータリソースの抽象化、それはICTの世界で「仮想化技術」と呼ばれています。
日本では2000年代後半から、サーバ仮想化、ICTそのものの仮想化であるクラウドコンピューティングの導入が進みました。
企業がこの技術に着目したのには「わけ」があります。

ICTは物理を超えて、どこまで抽象化されているのか

 単一の物理リソースを複数の論理に見せる。あるいは複数の物理リソースを単一の物理リソースに見せる。これをコンピュータリソースの抽象化といいます。ICTの世界では仮想化技術と呼ばれています。
 当初、日本において、仮想化技術の導入はサーバ領域から始まりました。動機はコストダウンニーズでした。2008年9月、いわゆるリーマンショックが発生し、日本企業の多くが大不況の嵐に投げ込まれました。そうした中で固定経費削減策の1つとしてスポットが当たったのがサーバ仮想化です。1台の物理サーバの中に複数台の仮想サーバを集約することで、コスト削減を実現することができました。
 2011年3月、東日本大震災が発生すると、今度はBCP(事業継続計画)の観点から、自社でICTを所有・運営するよりも、クラウドコンピューティングに移行し、運用も任せた方が安全という見方が企業の中で広がっていきました。これはICTそのものの仮想化を決断したということで、今では中堅・中小企業ばかりではなく、大企業も前向きにクラウドコンピューティングを利用しています。
 さらに今日、この技術は、VDIと呼ばれるデスクトップ仮想化、ネットワーク仮想化、データセンター仮想化へと、どんどん概念が拡大し、多くの企業が関心を持ってその発展を見守っています。なぜ仮想化技術はこれほどまでに歓迎されているのでしょうか。また、どれほどその導入は進んでいるのでしょうか。仮想化最前線に立つMKIのセールスパーソンやエンジニアに取材しました。