Cloudflare

V8エンジン第二弾 本番環境で使ってみました
ーコラムー
2020年1月9日号

V8エンジン第二弾 本番環境で使ってみました

 以前にご紹介したCloudflare Workers「ビジネスロジックをCDNへオフロード? ー パワフルなV8エンジンにお任せ ー」の続編です。今回はこのCloudflare Workersを本番サイトで活用した事例についてご紹介します。
まずCloudflare Workersについて簡単におさらいします。Cloudflare Workersとは以下のようなものです。

✔ CDN上でJavaScriptを組んで動かせる
✔ リクエストやレスポンスをインターセプトし処理を施せる


私も以下のようなスクリプトを実際に組んでみました。

・サイト名を変換する

とあるWebアプリケーションの担当に依頼されて作ったのですが、Cloudflare導入時にアプリケーション設定上のホスト名を変え、元々のホスト名でインターネットへ公開したいとの要望でした。(既設サイトにCloudflareを導入する際に必須となる要件ではありません。あくまで個別要件です)



この要件を実装するため、電文中に含まれるホスト名を変換するWorkersスクリプトを作りました。HTTPリクエストはa.comをb.comに変換し、レスポンスはb.comをa.comに変換します(実際にはa.com、b.comでなく異なる名前です)。HTML内のリンクや標準のHTTPヘッダー、アプリケーション固有のHTTPヘッダーなどにホスト名が含まれていたため、これら全てを変換する必要がありました。適用したスクリプトは以下の通りです



ここまで柔軟な処理が組み込めるCDNサービスは、他には無いのではないかと思います。私もいくつかの他のCDNサービスを実際に触った経験がありますが、if文をプルダウンメニューで選択する程度のものだったりして、制約の多いものばかりでした。今すぐ必要でなくとも、柔軟性の高いものを選択しておけば、運用中に発生する様々な変更要求や新規要件に対応し易いのではないでしょうか。








角田貴寛

 執筆者:角田 貴寛

三井情報株式会社
ソリューション技術本部 次世代基盤第二技術部 第一技術室
CISSP、CEH
現在、セキュリティ関連調査研究・教育業務に従事