三井情報株式会社
執行役員
デジタルトランスフォーメーションセンター
センター長
宮下 藏太氏
クラウド、モバイル、AIやIoTに代表されるデジタル技術は凄まじい勢いで進化を続けている。この波を捉え、新規事業や新しいビジネスモデルの創出を目指すデジタルトランスフォーメーションの機運が高まっている。多くの企業が“守り”の経営から、データの活用による“攻め”の経営への方針転換を模索しているのだ。
この活動を支援するため、三井情報(以下、MKI)は事業のシフトチェンジを加速。ERPやネットワークの導入・保守を中心とした「守りのIT」といわれるSoR(Systems of Record)事業に加え、50年間で培ってきた豊富なナレッジとノウハウに基づく「ICT総合技術力」を武器に、将来の事業戦略に向けた価値創出の立案・遂行をサポートする「攻めのIT」といわれるSoE(Systems of Engagement)事業に力を入れ両輪で顧客のビジネスを支えている。
MKIは親会社である三井物産の基幹システムの構築・運用・保守を長年にわたり手掛けてきた。国内有数の総合商社である三井物産は、流通、製造、エネルギー、農業など業容が幅広い。「IoTという言葉が誕生する以前から、現場のモノ・ヒト・コトのデータを駆使した業務革新や障害に対する予兆検知などに取り組んできました」と同社の宮下 藏太氏は述べる。
しかし、デジタル技術に精通したメンバーが部署ごとに分散していたため、これまでは案件ごとにアサインしてチームを編成する形だった。そこで複数部門にまたがっていたメンバー・知見を集約する組織再編を断行。2016年4月に「ソリューションセンター」(以下、EDGE。現在の「ソリューションナレッジセンター」)、2017年4月に「デジタルトランスフォーメーションセンター」(以下、DXC)を新設した。
三井情報株式会社
執行役員
ソリューションナレッジセンター
センター長
河島 真司氏
デジタルトランスフォーメーションは技術だけで実現できるものではない。まず何を目指すのか。ゴールを明確にし、そこに至るシナリオを策定することが重要である。テクノロジーはそのための実現手段だ。すなわち「ビジネス」と「技術の活用」という2つの戦略が欠かせない。そのために2つの組織を新設したわけだ。
EDGEは主にビジネス戦略の企画・策定、その実行に向けたアプローチ手法や最適なパートナーの選定などを通じ、変革の大きな青写真を描く。DXCはそのために必要となるテクノロジーやソリューションを検証・提供する。
「ただし、すべてをMKI単独で対応できるとは限りません。大切なことはお客様に対してどのような価値を提供できるか。そこでEDGEとDXCは緊密に連携するとともに、強みを持つ外部のパートナーとも柔軟に連携・協業する『先進・共創』によって、価値提供の最大化を図ります」と同社の河島 真司氏は語る。