クラウドの端から失礼します。 vol.01

2019/07/31

 

 

経営企画統括部 戦略企画部 広報・CSV推進室

基幹システム更改プロジェクトの観察日記をはじめます。

三井情報(以下、MKI)は6月からグループ会社全ての基幹システムをSAP S/4HANA CloudとSalesforceを使ったクラウド環境へ移行するプロジェクト(以下、本プロジェクト)を開始しました。本プロジェクトでは、MKIが皆さまの実験マウスとなって全基幹システムをIaaS型クラウド環境(以下、IaaS環境)からSaaS型クラウド環境(以下、SaaS環境)へ移行します。本コラムは本プロジェクトを蚊帳の外から生温かい視線で見守っているMKI広報担当ができる限り、技術者以外でも理解できるような文章を心がけて執筆していきます。

始まりは2018年度。MKIは会社を支えるシステムのあり姿として、IT基盤戦略を検討していました。政府は2018年6月7日に政府情報システムの調達に於いて、クラウドサービス(以下、クラウド)の利用を第一候補とする「クラウド・バイ・デフォルト原則」を公表しました。これを受けて、MKIはICTを生業とする企業として先端技術を取り入れることが重要と検討した結果、国内グループ会社全ての基幹システムをSaaS環境へ移行することを決めました。またMKIのIT戦略として、先端技術を積極的に社内導入してMKIを実験マウスとして社外へ公開するこということで、これから赤裸々に本プロジェクト観察日記をできる限り忖度せず公開します。

本プロジェクトの体制について

本プロジェクトでMKIは下図のように参画メンバーを顧客とベンダーとして分けた体制にしています。このような体制とした理由は顧客目線で本プロジェクトをMKI自身が体験するためです。本プロジェクトで挙がる課題は他社が導入する際にも課題になると考え、実際にシステムを利用するコーポレート部門を顧客、システムを構築するベンダーを技術部門と分けることで、より顧客目線を知ることができると考えたためです。

 

■体制イメージ図

 

IaaSからSaaSとは…

MKIの基幹システムは現在SAP ERP6.0をAWS(Amazon Web Services)上で稼働させて利用しています。そのため、厳密には既にクラウド上で稼働している状態です。「え?これクラウドに上げる上げる詐欺じゃない?」と思ったあなた。私も執筆中にPMからのコメントで知りました…。

では、本プロジェクトでMKIはどのようなチャレンジをするのか? 先に書いた通り、現在IaaS環境で稼働させている基幹システムをSaaS環境に移行します。基幹システムの環境としては下図のようなイメージです。

 

■IaaSからSaaSへの更改イメージ

 

IaaSは“Infrastructure as a Service”の通り、インフラ基盤がサービスとして提供されます。MKIはこのインフラ基盤の上で現在の基幹システムを利用しています。移行先のSaaSは“Software as a Service”ということで、インフラ基盤だけではなくソフトウェアまで全てがサービスとして提供されます。IaaSはインフラ基盤に載せるシステムをすべて自社で管理するため、インフラ基盤の制約以外はある程度やりたい放題好き勝手にシステムを構築することができるため、企業独自のやり方に合わせたカスタマイズが可能です。一方でSaaSはインフラ基盤からソフトウェアまでの全てをサービス提供されるため、クラウドサービス提供者から提供される標準のシステムに会社業務を合わせる必要があります。利用者側から見ると既存踏襲での更改が実現できないため、IaaS上に自社カスタマイズをふんだんに入れたシステムを構築する企業が多いです(某コーヒーチェーン店でミルクを豆乳にしたり、ホイップクリーム足したりとカスタマイズ大好きな方は多いですよね。という私もそうですが・・・笑) 。SaaS上でシステム、特に基幹システムを利用する企業はまだまだ少数派となり、MKIは自社基幹システムを実験台にし、皆さまの実験マウスとして本プロジェクトを進めていきます。

 

皆さまが気になる何故MKIがSaaS環境への移行に挑戦するかは、ここから書くと、皆さまの集中力を欠く文字数となるため、次回「キックオフまでに約半年かかったらしい」(仮)でお伝えします!次回もお楽しみに!

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