新機能「Agent Copilot」が登場!特徴や利用開始手順、活用ケース等について解説します

コンタクトセンター運営において、顧客体験の向上と業務効率化は常に重要な課題です。ジェネシス社が昨年リリースしたAgent Copilotは、その課題解決に大きく貢献する生成AI機能として注目を集めています。本記事では、Agent Copilotの特徴や利用開始手順、活用ケース等について解説します。
Agent Copilotとは
Agent Copilotは、Genesys Cloud CXプラットフォームに新たに追加された生成AI搭載の機能です。コンタクトセンターのオペレーターをリアルタイムでサポートし、顧客とのやり取りをより効率的かつ質の高いものにします。
補足:従来提供されていたAgent Assistは2025年4月をもって機能提供を終了し、Agent Copilotへ一本化することが発表されています。
AIトークン経由のエージェントアシストの廃止と販売終了(Genesys クラウド リソース センター)
主な機能と特徴
- リアルタイム書き起こし
Agent Copilotは顧客との通話をリアルタイムで書き起こし、通話中のインタラクション画面に表示します。 - リアルタイム情報提供
Agent Copilotは顧客との会話をリアルタイムで分析し、関連するナレッジやネクストベストアクションをオペレーターに提供します。例えば、顧客が特定の製品について質問した場合、その製品の詳細情報や一般的な問い合わせ内容、解決策などをすぐに表示します。これにより、オペレーターは情報の検索に時間を取られることなく、顧客対応に集中できます。 - 回答文の自動生成
顧客からの質問に対して、適切な回答文を自動生成します。オペレーターは提示された回答をそのまま使用するか、状況に応じて編集して使用することができます。複雑な問い合わせや専門的な内容に対しても、正確で一貫性のある回答を素早く提供できるようになります。 - アフターコールワーク(ACW)の自動化
顧客との会話終了後、Agent Copilotが内容の自動要約やラップアップコードの自動予測入力を行います。これにより、ACWにかかる時間を短縮することができます。 - FAQ・ナレッジへのフィードバック
エージェントから収集した評価・コメントを基に、 FAQやナレッジ記事の継続的な改善を行ったり、ニーズに合った新規ナレッジ記事を作成することができます。 - エージェントアシスト効果測定レポート
Agent Copilotによって自動提示されたFAQやナレッジ記事の利用状況を可視化し、KPIに対するAgent Copilotの有効性を分析することができます。
また、2024年12月にAPIが追加され、音声認識データや要約データなどを外部に送信できるようになり、活用の幅が広がっています。
≫APIドキュメント(Genesys Cloud デベロッパー センター)
Agent Copilotを利用できるGenesys Cloud CXライセンス
Genesys Cloud CX 1、Genesys Cloud CX 1 Digital Add-on II、Genesys Cloud CX 1 WEM Add-on II、Genesys Cloud CX 2、Genesys Cloud CX 2 Digital、Genesys Cloud CX 2 WEM Add-on I、Genesys Cloud CX 3、または Genesys Cloud CX 3 Digital ライセンスのすべてのライセンス
Agent Copilot 利用開始手順

Agent Copilotの導入メリット

- 応対品質の向上と平準化
Agent Copilotからリアルタイムで提供される情報を活用することで、経験の浅いオペレーターでも質の高い対応が可能になります。コンタクトセンター全体の応対品質が向上し、平準化されることで、顧客満足度の向上につながります。 - 新人研修期間の短縮、ナレッジベース運用コストの削減
Agent Copilotがリアルタイムでサポートすることで、新人オペレーターを育成するための研修期間を大幅に短縮できます。また、ナレッジベースの維持・更新の負担も軽減されるため、運用コストの削減にも貢献します。 - オペレーターの負担軽減と従業員満足度の向上
複雑な問い合わせや高度な知識が必要な場面においてもAgent Copilotのサポートが受けられることで、オペレーターの精神的負担が軽減されます。離職率の低下やモチベーション向上にもつながります。 - 対話データに基づく継続的な改善
Agent Copilotは顧客との対話データを分析し、頻出する問い合わせや改善すべきポイントを可視化します。このデータを活用することで、FAQの充実や製品・サービスの改善、新商品開発など、コンタクトセンターで収集したデータを活用した、ビジネス全体の品質向上が可能になります。
Agent Copilotの日本企業での活用
Agent Copilotは、日本のコンタクトセンターが抱える人材不足や業務の複雑化といった課題を解決するソリューションとしても期待できそうです。業務効率化や応対品質の平準化といった切り口以外にも、以下のような課題への活用が考えられます。

- 多言語対応
訪日外国人や在日外国人からの問い合わせに対する、リアルタイム翻訳と適切な回答への支援 - 繁忙期対応
一時的に増席する際、経験の浅い臨時オペレーターでも質の高い対応を実現できるよう回答支援 - 正確な情報提供
特に正確な情報提供が求められる、金融や医療といった業界において、リアルタイムナレッジ検索等でオペレーターの応対を支援
まとめ
コンタクトセンターは「コスト部門」から「価値創造部門」へと進化する新たな時代を迎えています。Genesys Cloud CXの「Agent Copilot」のような先進的なAI技術は、コンタクトセンターの運営効率と顧客体験を大幅に向上させる可能性を秘めています。オペレーター人材不足や、CX改善といった課題に直面している日本のコンタクトセンターにとって、このような生成AI機能は競争力強化のための重要なツールとなるのではないでしょうか。
Agent Copilotの詳細や価格、設定方法については、ジェネシス社サイトにまとめられています。
≫Genesys Agent Copilotについて(Genesys クラウド リソース センター)
また、毎月無料で割り当てられるトークンをうまく活用して、まずは検証してみることも可能です。
≫Genesys Cloud AI Experienceトークンの計測と価格設定(Genesys クラウド リソース センター)
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三井情報(MKI)について
当社は、1985年から日本を代表する大規模コンタクトセンターの構築を支援しています。日本を代表する大規模コンタクトセンターを含め700サイト以上の構築実績を元に、お客様に最適なご提案をさせて頂きます。
1996年にジェネシス社のパートナーとなって以来、30年近くにわたりジェネシス社のコンタクトセンターソリューション導入を支援しています。Genesys Cloud CX導入においても多くの導入実績があり、他システムとの連携・統合を含めた導入経験も豊富です。ジェネシス社からは、優れた実績を残したパートナーに贈られる「Cloud Partner of the Year」を2年連続受賞しております。
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