フォークリフトの事故事例と事故を防ぐための対策

フォークリフトの積荷作業

フォークリフトは事故発生件数も高く、事故件数は年間約2,000件を前後して推移しています。安全教育などでフォークリフトの危険性を意識付けることも大切ですが、実際にどのような事故が起きて何が原因なのかも知らなくてはなりません。さらに事故を防ぐ為の対策をしっかりと取っていくことも重要です。

フォークリフトの事故発生状況

減らないフォークリフトによる労働災害発生件数

フォークリフトによる労働災害発生件数の推移



フォークリフトは意外にも労働災害が多く、厚労省の労働災害統計では毎年2,000件あまりの労災事故が起きていることがわかります。フォークリフトによる死亡事故も年間で30件近くを推移していますので、現状では無事故でいる職場でも常に危険と隣り合わせであるという認識を持たなくてはなりません。

また、荷役運搬機械による労働災害の内訳では1位がフォークリフトで70%、2位がクレーンで24.4%、3位がコンベヤーで5.6%となっており、フォークリフトの事故が占める割合は大きくなっています。(出典:厚生労働省 平成29年事故型別起因物別労働災害発生状況、平成25年度厚生労働省委託事業 荷役作業安全ガイドラインの解説)

多くの事業所ではフォークリフトへの危険度を意識はしているものの、公道を走るトラックへの安全対策を重視している点もあり、なかなか場内で作業するフォークリフトへの安全対策が十分とはいえないこともあります。

しかし、たとえ人にケガがなかったとしても、フォークリフトでの事故は顧客の大事な商品を傷つけることになり、会社の信用を無くす羽目になりかねません。フォークリフトの事故件数を減らすには、事故の原因を知り、事業所での安全対策を十分行い、運転手や作業者に危険が及ばない工夫をしていく必要があるでしょう。

フォークリフトの事故事例

フォークリフトでよくある事故として「転落」、「挟まれ」、「転倒」、「衝突」の4つのケースがみられます。パターン別にそれぞれ見ていきましょう。

転落事故

転落事故は主に、「フォークリフトごと落ちるケース」と「荷台やフォークの上に乗って落下する」事故の2種類があります。

「フォークリフトごと落ちるケース」では、運転者がハンドル操作を誤った事で段差や高所からフォークリフトごと落ちてしまうといった事例や、そもそもフォークリフトの運転免許を持たない人が運転してしまい結果転落事故につながるという事例も起きています。

「荷台やフォークの上に乗って落下するケース」では、荷物と一緒に自分も乗ってしまい結果バランスを崩して転落する事例等が起きています。また、フォークリフト事故の直接の原因ではないものの、そもそもヘルメットをしっかりとつけていなかった等といった、「少しなら大丈夫」といった油断から大きな事故につながってしまうこともあります。

挟まれ事故

次に、挟まれ事故のケースをみていきます。例えばフォークリフトを運転中に傾斜で車体が傾き、柱に衝突しはずみで運転者が投げ出されて倒れてきたフォークリフトに挟まれるというようなケースや、運転ミスや安全確認不足により周りにいる作業者を壁や荷物との間に挟んだり巻き込んだりしてしまうというケースが見られます。

転倒・激突事故

転倒事故の多くはスピードの出し過ぎによる横転です。積荷を積んでいてもいなくても、カーブでスピードを落とさないまま走行するのは非常に危険です。また、フォークリフトの整備不足によりハンドル操作が上手く行かない事やブレーキが上手く効かない事等が原因で転倒や激突事故につながるケースもあります。

フォークリフトの事故原因

フォークリフトの事故の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?危険な行動や状況を各自がしっかりと把握することで事故を未然に防げるようにしましょう。ここでは、フォークリフト事故の原因として多いものをご紹介しています。

 

運転操作ミス

運転操作ミスが起こるのは何も経験が浅い運転手だけではありません。どれだけ慣れた人でも操作ミスは生じる可能性があります。傾斜地であるのにニュートラルのまま駐車ブレーキをかけず積荷の調整を行うなど、基本的な事を怠った場合に事故が起きています。また、フォークリフトの免許を持っていない人の運転も運転操作ミスにつながりやすいことは容易に想像がつくでしょう。事業所で安全に対する十分な教育ができていなかったといえるでしょう。

安全確認や法令順守の怠り

安全確認をしっかりと実施していない職場では法令を守っていないケースが見られます。フォークリフトが公道を走行するのは特殊免許があれば可能ですが、積荷を持って走るのは道交法違反です。また、フォークリフトの免許がない運転手が日常的に作業していることも問題です。ひとたび事故に繋がれば企業としての信頼が無くなってしまいますので、安全確認や法令順守は徹底して行っていく必要があります。

経験から生まれる慢心での油断

事故発生において非常に多いのが「少しの油断」ではないでしょうか。フォークリフトに限らず、多くの職場で長年の経験からくる慣れというのが労働災害につながっています。例えば、フォークリフトの爪の上に乗るのは大変危険であり禁止されていますが、実際に乗ってしまって事故につながるケースは多く起きています。周りにいた作業員や運転手も危険な行動に対して注意ができなかったことも問題点といえるでしょう。

点検・整備不足

フォークリフトの自主点検は法令で定められています。始業前点検、定期自主検査、特定自主検査の3つからなります。フォークリフトの故障は事故を発生させる可能性が高いので日頃の点検は怠らないようにすることが大切です。例えばブレーキが上手く効かずに事故につながるケースでは、点検がしっかりと行われていれば未然に防ぐことができた事故と言えるでしょう。

パレットの積み方

積荷を乗せるパレットのバランスが悪いと積荷が落下しやすくなります。積荷の近くに人がいれば挟まり事故につながり、人がいなくても積荷に損傷が起きればクライアントとの信頼関係の損失につながります。補償問題に発展することもあるので慎重に作業を行う必要があります。また、3定(定位置・定量・定品)をしっかり守り、定められた量以上のパレットを重ねないよう心がけましょう。

フォークリフトの事故を減らすには?

フォークリフトの事故を減らすにはどのように対策を取っていけばよいのでしょうか?フォークリフトを安全に運転する為の具体的で有効な対策をご紹介していきます。

フォークリフト専用の通路を作る

通行者が作業中に侵入しないようにフォークリフトが走行する専用通路を作りましょう。どうしても工場内で両者が通行しなければならない通路には、通路付近に山積みのパレットを置かず、見通しがいいようにレイアウトを変更することが大切です。

指差し呼称の徹底

安全確認は指で示して声に出す指差し呼称が効果あります。指差し呼称を恥ずかしがる人も多いでしょうが、しっかりと指差し呼称を行うことは安全への潜在意識が高まり、注意不足を防ぐ効果があります。慣れや少しの油断が招く事故を減らすことにつながるでしょう。

点検と整備を怠らない

毎日の始業点検はもちろん、定期自主検査も忘れてはいけません。記入漏れがないようダブルチェックの活用や責任者のサインを促すような体制を取っていきましょう。

安全な乗り方と積み方の徹底

フォークリフト免許取得時に安全な乗り方と積み方は勉強しているはずですが、現場で作業しているとどうしてもスピード優先になってしまい、雑に作業してしまいがちです。安全な作業をしているか、普段から職場でパトロールするなど徹底的にチェックするようにしましょう。

安全管理ができるツールを取り入れる

フォークリフト専用のドライブレコーダーや、FORKERS(フォーカーズ)のようなフォークリフトの稼働状況を監視できるようなIoTツールを取り入れることで、運行管理が行いやすくなります。取得した動画を危険予知トレーニング(KYT)に活かすことも可能ですので、安全対策の一環として採用するのも良いでしょう。 

フォークリフトの安全運用をIoT技術で支えるFORKERS(フォーカーズ)の詳しい説明はこちらから

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