フォークリフトの死角は危険!事故を減らす対策とは

フォークリフトの安全確認

フォークリフトの運転時、必然的に視野が限られて死角が増えます。そればかりでなく、前方の荷物や進路方向にばかり気を取られているうちに、「バック走行時に、後ろに居た人の存在に気付かず、フォークリフトで接触した」といった事例も少なくありません。その理由の1つとして、安全確認をしっかり行ったつもりであっても、目で見える範囲での確認にとどまってしまいがちになることが挙げられます。

そのような確認漏れを防ぐためには、あらかじめ死角がどこにあるのかをある程度把握しておく必要があります。生じやすい事故について知り、出来る限りの安全対策を行うことが必要です。次の章より、それらをさらに追及していきましょう。

フォークリフトの死角はどこなのか

フォークリフトのそばを人が行き来すること

フォークリフトの作業スペースと人が行き来する道を明確に分けていない場所では、フォークリフト付近に居る人の存在に気が付かない場合があります。

通路コーナーや出入口、入り組んだ通路

見通しの悪い通路コーナーや部屋の出入り口、狭い通路や入り組んだ場所なども死角になりやすいです。一見大丈夫そうに見えて突っ切ろうとしたら人がいきなり出てきたというケースはよくあります。

前進走行時にマストが死角に

リーチ式もカウンタ式も、フォークリフトには前方にマストがあります。このマストが思っている以上に視界を遮るので、死角を作りやすいといえます。

リーチフォークリフトの右方向(バック時)

リーチフォークリフトを使う場合、死角となりやすいのはバック走行時の「右後方」です。リーチフォークリフトは左半身寄りで乗車しているため、左後方および後方は自然に確認しやすいです。しかし右方向の場合、体を相当ひねらないと確実な死角確認が難しいはずです。そのため、右後方はしっかりと意識し、「まずは右後方の確認」という習慣づけをすることが大切になってきます。

荷物の物陰

積み下ろした荷物の物陰から人が出てくることもあります。運転者は荷物をどんどん積んでいくため、目の前の荷物や作業進行にほとんどの意識が向きます。そのため、「近くに人がいる」というところまで意識しにくく、視界にも入りにくい状態になります。

工場内の袋小路となる場所

工場内の袋小路となっている場所は死角になりやすく、フォークリフト同士の衝突も起きやすくなっています。特に、棚や壁の陰などで作業を行っているフォークリフトの存在に気付かず、別のフォークリフトが侵入することが問題となっているケースは多いです。

フォークリフトの死角によって生じる事故

死角が生じやすい原因として、フォークリフトが屋内で使用されることが多いことが挙げられます。例えば作業場が倉庫の中だったとしたら、そこには荷物がたくさん置かれてあり、同時にその近くを人が絶えず行き来するという状況ができるからです。死角によって生じる事故の例を、パターン別に見てみましょう。

バック走行時の接触事故

バック走行時は、特に「後方」が死角となりやすいです。
フォークリフトで荷物を運ぶ際、パレットなどにフォークリフトの爪を差し込んだら、一度バックしてから移動しなくてはなりません。しかし、運転者は目の前の荷物に気をとられて後方への意識が弱まりやすいです。その結果、後方確認を怠って後ろに居た作業員と接触(最悪轢いてしまう)といった事故につながります。
また、急ブレーキによって人身事故は免れても、その反動でバランスを崩した荷物が落下するという危険性は充分にあり得ます。

フォークリフト同士の衝突

狭い作業スペースで一台のフォークリフトが作業中、出入口が死角になりやすいです。そのため、中に居るフォークリフトの存在に気付かず、別のフォークリフトが侵入して衝突するという事故が発生します。
作業場が薄暗い場合も同様に、「中で作業中のフォークリフトが見えなかった」という事態が起こり得ます。

積荷が死角になり、人の存在に気が付かない

フォークリフト作業で取り扱う荷物が死角となって、事故に繋がるケースもあります。例を挙げると、既定の積載量を超える荷物を運ぼうとして、視界を必要以上にさえぎってしまう事例です。前方を歩いている人を巻き込む人身事故や、機材や壁などに衝突する物損事故など、さまざまな労災につながります。

また、作業場にたくさんの荷物が置かれた状態も、必然的に死角を多く作る原因となります。例としては、高く積み上げた荷物の陰から、突然人が出てきて人身事故を起こしたり、フォークリフト同士で衝突したりと、危険な事故に繋がります。

死角をカバーするための対策

警告灯を使う

騒音の激しい職場や死角の多いところでは警告灯の使用が望ましいとされています。警告灯を照射することで危険を視覚的にまわりに知らせることができます。この機能を利用し、人身事故などの労災発生を予防するのです。
近年はブルーライトのLED警告灯なども出ており、ヨーロッパをはじめ各国の工場現場で取り入れられています。その結果、見事に安全対策の効果を発揮しており、人身事故の防止を実現しています。

ブザーを鳴らす

フォークリフトの発進前にブザーを鳴らして、死角で作業していることを知らせることも大切です。
また、バック走行時に鳴るブザーのほか、前進走行時にもチャイムやブザーを鳴らせる安全用品も販売しています。それらを取り入れ、死角からでもフォークリフトの存在が分かるよう安全対策をすることも必要でしょう。

人が通る場所と作業スペースを明確に分ける

フォークリフトの作業スペースと人の通り道が混同している現場は非常に危険です。死角に関わる人身事故も当然起きやすい状況となります。
それらを防ぐためには、フォークリフトでの作業スペースと人が歩く通路を明確に区別することです。目立つ色のテープを貼るだけでも、死角が原因となる事故を防ぐための安全対策に繋がります。

マストから顔を出して視界を確認(努力視界)

フォークリフトの前方にあるマストは、視界を遮って死角を作りやすいです。見通しも悪くなるので、フォークリフトでの走行前にはマストから顔を出して視界を確認することが大切です。要は、意識して努力視界を積極的に確かめる癖をつけることが、死角が原因の事故を防ぐ方法の1つということです。

作業場に無駄な物を置かない

フォークリフトでの作業スペースに荷物を積み過ぎていたり、無駄な物が溢れて散らかっていたりすると、荷物によって死角が増えます。
処分すべきものや整理整頓すべきものを雑然とした状態で放置せず、安全のためにも作業場はスッキリとした環境に整えておくことが大切です。

フォークリフトの安全対策にIoT技術を取り入れる

最近では、フォークリフトの安全運用をサポートする新しいIoTソリューションが登場していることをご存じでしょうか?

FORKERS(フォーカーズ)は、IoT技術によりフォークリフトの安全と稼働状況の遠隔監視を提供するサービスです。日々のフォークリフトの稼働状況の自動レポーティングや危険運転を検知するとブザーが鳴りリアルタイムでその状況が共有される仕組みもあります。

更に、大型のフォークリフトになるとその死角も必然的に大きくなります。そのような大型フォークリフトの死角をカバーする為、「FORKERS EYEバリア」という人感カメラ・センサーシステムも存在します。このようなシステムを取り入れていくこともフォークリフトの安全運用の一助となります。

FORKERSの詳しい説明はこちらから

FORKERS EYEバリアについてはこちらからご確認ください。



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