フォークリフトの危険予知活動の重要性と進め方

フォークリフト作業中

どのような現場にも、「ヒヤリハット」は存在します。それらを見落とすことで、人の命に関わる事故に発展しかねません。フォークリフトを取り扱うにあたって、どのような危険が潜んでいるのかを予測する「危険予知活動」は非常に重要です。
フォークリフトの危険性や事故事例を含め、危険予知活動の具体的な内容や進め方についてまとめています。「どうせ大丈夫だろう」と油断することなく、常に危険の可能性を意識することが大切です。

フォークリフトの危険性

減らないフォークリフトによる労働災害発生件数

フォークリフトによる労働災害発生件数の推移



2018年の厚生労働省「労働災害統計(平成30年)」によると、2,113件ものフォークリフトの事故が発生しており、そのうち26件が死亡事故でした。グラフから分かる通り、毎年1,900人〜2,000人前後の死傷者数が出ています。フォークリフトは、事故に発展すると死亡率が高い特徴があります。

事故事例

「厚生労働省 職場のあんぜんサイト」の発表では、フォークリフトに起因する死亡災害発生状況(平成28年確定値)として、最も多いのが「墜落・転落」です。次いで「挟まれ・巻き込まれ」、その次に多いのは「転倒」となっています。 フォークリフトでの事故は、死亡事故につながりやすい重大なものが多いです。そのため、起こりうる危険を予知し、安全対策を徹底する必要があります。

バック走行時の危険性

フォークリフトでのバック走行時に起きやすいのが接触事故です。主な原因は、バック走行時における後方の確認不足です。 多くの場合、前方の荷物に気を取られ、後方への意識が弱まったと考えられます。また、「後ろに人はいないだろう」という思い込みからくる油断も、事故を招くきっかけとなり得ます。

間違った使い方

フォークリフトは正しく使わなければ、重大な事故に繋がる危険を伴う車両です。例えば、シートベルトを締めずに車両が転倒し、作業員が放り出される事例があります。 また、規定を超える荷物を持ち上げ、バランスを崩した荷物が運転手に向かって落下することもあります。そのほか、爪の部分に作業員を乗せて作業を行い、振り落とされるといった事故事例が挙げられます。

フォークリフト事故を減らすには?

フォークリフトの事故を減らすためにはどのような事に気を付ける必要があるのでしょうか?安全確認やトレーニングについて解説します。

安全確認を徹底

毎日のフォークリフト作業に慣れてくると、安全確認を怠りがちになります。しかし、安全確認を怠ったことで発生する事故は少なくありません。 ぜひ、以下の安全確認をしっかりと行ってください。

フォークリフトに乗る前

・まず自身の服装をチェックしましょう。レバーなどに巻き込まれないよう、袖のボタンは留まっていますか? 安全靴を履き、靴紐はだらりと伸びていませんか?

・次に車体に異常がないかチェックします。障害物がないかどうか、周囲のチェックも忘れずに行いましょう。

・作業環境の把握も忘れずに行います。道や出入り口の幅、死角や段差、活動範囲や周囲の状況などを確認しましょう。

フォークリフトに乗ってから

・発進する時はクラクションなどを鳴らし、周囲に合図を送りましょう。

正しい運転方法を守る

正しい操作方法での運転も、事故を防ぐために非常に重要です。免許取得時に指導された方法を守り、危険行為は絶対に行わないようにしましょう。

人が歩くスペースと作業場を分ける

人が歩く場所とフォークリフトが走行する通路(作業場)を明確に分けることも大切です。どうしても場所が狭く難しいようなら、色のはっきりしたテープを貼ってわかりやすくするといった対策を講じましょう。 また、死角が多く入り組んでいる場合は、警告灯を設置するのも効果的です。フォークリフトがどこにいて、どこを走っているのか瞬時にわかるようになります。

安全講習や危険予知トレーニングを取り入れる

定期的な安全講習や危険予知トレーニングなどの実施は、自身の運転が安全で正しい方法か再確認できます。 後述しますが、職場で危険予知トレーニングを取り入れることも望ましいでしょう。

危険予知トレーニングとは?

危険予知トレーニングとはKYTとも表記されます。専用のシートを使って、日常業務に潜む事故の危険性を挙げ、それに対する改善策や注意点を確認します。そうすることで、事故を防止しようとする試みです。 危険予知トレーニングでは、主に作業中に発生した災害事例が出題されます。職場全体で危険予知問題に挑戦することで、フォークリフト作業の安全対策として、大きく役立つでしょう。

必要性

危険予知トレーニングには、危険に対する感受性や意識を鋭くする効果があります。それに加え、業務での事故防止や安全への集中力を高めることもできます。さらに、危険な状況に直面した際の問題解決能力の向上にもつながります。

トレーニングの具体的な内容

KYTは、以下の4つにわけて進められます。

  • 第1R(現状把握)…どんな危険がひそんでいるか
  • 第2R(本質追究)…これが危険のポイントだ
  • 第3R(対策樹立)…あなたならどうする
  • 第4R(目標設定)…私たちはこうする

これらを1つずつ解説していきます。

第1R(現状把握)

第1Rでは、写真や絵に描かれた状況にどのような危険が潜んでいるかを考え、意見を出し合います。 ポイントは、「危険要因」と「現象」の組み合わせで表現することです。 例えば、「誰が(何が)」「どうなって」「その結果どういった事故が発生する」といった表現で、それぞれ発表していきます。各要素が被っていても、組み合わせが違っていれば問題ありません。

第2R(本質追究)

重要と思われるポイントに丸印をつけ、そこからさらに絞り込んだ部分を「危険ポイント」として二重丸やアンダーラインなどで強調します。 その危険ポイントを、参加メンバーで唱和してください。

第3R(対策樹立)

絞り込んだ危険ポイントへの対策として、どうすれば良いかを話し合い、案を出していきます。

第4R(目標設定)

第3Rで出された対策案の中から、重点実施項目を決めます。そこに印やアンダーラインをつけ、重点実施項目をチーム行動目標として具体化しましょう。

出典:「社会福祉施設における安全衛生対策~腰痛対策・KY活動~」調べ

フォークリフト事故を防ぐために

フォークリフトの事故を防ぐには、危険予知活動を積極的に行うことは有効と言えるでしょう。危険因子を挙げて、事故につながらないよう注意し、安全対策をしっかり講じる必要があります。
また、運転に慣れると安全確認を怠るケースや、作業の効率化に気を取られた誤った運用も起こり得ます。それらが招く事故は、命を落とす重大な労働災害に発展しかねません。「自分なら大丈夫」という油断も決してあってはならないでしょう。

フォークリフトの安全を守るためには、危険予知トレーニング等に積極的に取り組むと共に、FORKERS(フォーカーズ)のようなフォークリフトの稼働状況を監視できるようなソリューションを取り入れることも一つです。FORKERS(フォーカーズ)を使用すると事業所内のフォークリフトを一括で管理することが可能です。
データ化のほか、危険運転察知、動画撮影など、さまざまな方向から事故を未然に防ぐための補助として活躍してくれるのです。

FORKERS(フォーカーズ)の詳しい説明はこちらから

FORKERS(フォーカーズ)についてはこちらからお問合せください。



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