フォークリフトは、意外にも死傷事故の多い車両です。そのため、しっかりと安全教育を行って運用する必要があります。安全教育の必要性やその内容について考えていきましょう。
同時に、安全教育を怠った場合に予想される事故の危険性と、実際に起きたフォークリフトでの事故事例も知る必要があります。それらを意識した上でしっかりと安全教育を受け、事故を未然に防げるよう、対策につなげていきましょう。
労働安全衛生法第60条の2第2項では、以下のように定められています。
事業者は、その事業場における安全衛生水準の向上を図るため危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。
(出典:危険又は有害な業務に就いている者に対する安全衛生教育に関する指針)
したがって、危険を伴うフォークリフトの作業者に安全衛生教育を行うことは、事業者の「努力義務」となります。
「敷地内であれば無免許でもフォークリフトを運転できる」と言う人もいますが、これは間違いです。安全と事故防止のため、フォークリフトを扱うには免許が必要です。
具体的には、教習センターで「フォークリフト運転技能講習」を修了する必要があります。また、最大積載荷重1t未満のフォークリフトについては、教習センターや各事業所で行われる、フォークリフト特別教育を受講する必要があります。
安全衛生教育では、一定期間(概ね5年)が経過したとき、また機械や設備などに大幅な変更があったときにも、事業者は労働者に対し再教育の実施が求められています。
再教育は、フォークリフト運転技能講習を修了して概ね5年が経過した人、業務から一定期間離れ再びその業務に従事する方が対象です。 具体的には、「フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育について(平成2年3月1日付基発第114号)」の教育カリキュラムに沿って行われます。 新しいフォークリフトの特徴をはじめ、取扱い方法や保守管理、災害事例やその防止対策などを改めて身に付けることが目的です。 この講習は各教習センターにて随時行われています。
「フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育講習」の受講対象者は、「最大積載荷重1t以上のフォークリフト運転業務従事者」であり、「事業者は一定期間ごと(概ね5年)ごとに当該教育を実施するよう努めなければならない」とされています。 その安全衛生教育に関する指針では、教育カリキュラムも設けられています。
講習内容と時間は、一例ではありますが以下の通り計6時間が目安です。
(出典:陸上貨物運送事業労働災害防止協会)
新しいフォークリフトにはいくつか種類があり、カウンタバランス式やリーチフォークリフト、オーダーピッキングトラックやサイドフォークリフトなどが挙げられます。また、以前と違いAT式のフォークリフトも増えてきています。そのため、新しいフォークリフトの特徴や取り扱いをはじめ、事故の危険性や安全対策についても学ぶ必要があります。
フォークリフトの危険な事故として、まず挙げられるのが転落事故や墜落事故です。フォークリフトでの作業中に、運転者の操作ミスが起き、フォークリフトもろとも高所から墜落するといった事例です。 また、フォークリフトの爪の部分に人を乗せて作業するといった、本来なら禁止されている危険行為を行った際に起きる作業員の転落事故も報告されています。
毎日のフォークリフト作業による慣れから、周囲への安全確認を怠るようになった時や、いわゆる漫然運転のような状態での作業中も、危険な事故を招きやすくなります。例えば、目の前の荷物だけに気を取られ、近くにいた作業員を挟んでしまった事例です。その他珍しい事故報告としては、フォークリフトのマストとヘッドガードの間に、他の作業員の頭が挟まれる事故が発生しています。 この安全確認不足による「挟まれ・巻き込まれ」が、フォークリフトによる死亡事故の最も多い原因です。
次いで、フォークリフトの転倒事故です。作業中にフォークリフトが横転することで、作業員が車外へ投げ出されるといった内容の事故も少なくありません。投げ出されるとフォークリフトの下敷きになる危険性も高く、死亡事故にもつながります。
フォークリフトが転倒する要因としては、以下の3点が挙げられます。
また、安全意識の低い作業員が遊び半分でドリフト走行をするといった危険行為も、転倒事故に繋がります。
衝突事故では、フォークリフトの走行経路に他の作業員が立ち入り轢かれてしまうケースや、フォークリフトの荷物が落ちないように支えていた作業員の上に、荷物が落下するケースがあります。その他、フォークリフトの整備不足も、事故発生の大きな要因となります。
フォークリフトは意外にも事故が多いです。そのため、安全確認を怠らず、正しい運転を常に心がけることが大切です。事故で特に多いのは、転倒・転落事故、巻き込み事故や衝突事故となっています。いずれも命の危険を伴う大きな事故です。現場でのフォークリフト作業は、「常に危険と隣り合わせ」という意識を持つ必要があります。
一人一人がフォークリフトの安全に対する意識を高めることは非常に大切ですが、FORKERS (フォーカーズ)のようなフォークリフトの稼働状況を遠隔監視できるようなソリューションも合わせて取り入れることで安全管理品質を向上することが可能です。
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