フォークリフトに必要な安全対策とは?よくある事故と対策まとめ

フォークリフトの安全走行

この記事では、フォークリフトを使った現場での作業において、事故防止のために徹底すべき安全対策及び、発生しやすい事故について説明しています。また、事故発生件数を示すと同時に、それらが起こる原因についても追及していきましょう。

工場や倉庫などで使われるフォークリフトは、技術講習を修了して運転の資格を取得する必要があります。大きな荷物の荷下ろしや積載、運搬までこなすほどで、現場で大活躍する車両です。その反面、安全対策を怠ると大きな事故に繋がる危険性も無視できません。

フォークリフトの事故発生件数

減らないフォークリフトによる労働災害発生件数

フォークリフトによる労働災害発生件数の推移を見てみると、2016年から翌年にかけてピークになった死亡事故は、やや減少傾向にあります。
ただ事故発生件数は、一見横ばいの傾向を見せながらも、少しずつ増加しています。グラフでは2018年に初めて、2000件を超える事故件数に上っていることも分かります。

同じく2018年の労働災害で、9000件近くにのぼるトラックの死傷事故と比べると、一見少なく見える数字ですが、決して見過ごせる数字ではありません。

フォークリフトによる労働災害の割合

続いて左記グラフは荷役運搬機械による労働災害の内訳ですが、クレーンが24.4%、コンベアーが5.6%なのに対し、フォークリフトによる事故は70%と、グラフの半分をゆうに超える数字から、フォークリフトは事故の件数が圧倒的に多いことを示しています。 (出典:厚生労働省 平成29年事故型別起因物別労働災害発生状況、平成25年度厚生労働省委託事業 荷役作業安全ガイドラインの解説)

フォークリフトでよくある事故

ここでは、フォークリフトでの作業中に発生する事故としてよくあるケースを、事故の種類ごとに紹介し、詳細を説明します。

転落、および墜落事故

まず挙げられるのが、転落事故や墜落事故です。フォークリフトでの作業中に、運転者の操作ミスが起き、フォークリフトもろとも高所から墜落するといった事例です。 また、フォークリフトの爪の部分に人を乗せて作業するなど、本来なら禁止されている危険行為を行った際に起きる、フォークリフトの爪部分に乗った作業員が誤って転落するといった事故などが報告されています。

作業員が巻き込まれる/挟まれる事故

毎日フォークリフトによる作業をすることで、周囲への安全確認を怠るようになった時や、いわゆる漫然運転のような状態での作業中も、危険な事故を招きやすくなります。例えば、目の前の荷物だけに気を取られ、近くに居た作業員を挟んでしまった事例。ほか珍しい事故報告としては、フォークリフトのマストとヘッドガードの間に他の作業員の頭が挟まれたという事故が発生しています。
ちなみに、フォークリフトの死亡事故で最も多い事故原因は、安全確認不足によってフォークリフトに挟まれた(あるいは巻き込まれた)という内容のものです。

フォークリフトの転倒事故

次いで、フォークリフトの転倒事故についてです。作業中にフォークリフトが横転することで、作業員が車外へ投げ出されるといった内容の事故も少なくありません。
投げ出されるとフォークリフトの下敷きになる危険性も高く、死亡事故にもつながります。 フォークリフトが転倒する要因としては、以下のことが挙げられます。

  • ①荷物の積み込み(または積み下ろし)の際に、まだ固定が外れていないにもかかわらず、トラックが動き出した
  • ②下り坂での運転中や方向転換時にスピードを出し過ぎていたため、バランスを崩した
  • ③荷物を高く持ち上げたまま坂道を移動していた

また、安全意識の低い作業員が遊び半分でフォークリフトのドリフト走行などをすることも、転倒に繋がる危険行為となります。

フォークリフトにおける衝突事故

衝突事故としては、フォークリフトの走行経路に立ち入った他の作業員が轢かれてしまうケースや、フォークリフトの荷物が落ちないように支えていた作業員の上に、その荷物が落下するといったものがあります。
その他、フォークリフトがきちんと整備されていないことも、事故発生の大きな要因となります。

フォークリフトの事故の原因

フォークリフトの事故を防ぐためにはまず原因を知ることが大切です。考えられる原因を以下にまとめました。

運転操作ミス

乗用車同様、運転操作を誤ることは主な事故原因の1つです。ハンドル操作ミスやレバー操作の誤り、アクセルとブレーキの踏み違え、漫然運転による前方不注意などのほか、急な発進などは事故を引き起こします。正しい運転技術は、免許を取った後もずっと意識することが大切です。

安全確認の怠り

フォークリフトの現場講習では指さし確認をしますが、いざ現場での実践時にはおろそかにしがちなのが、安全確認です。
例えば前後左右の確認をせず走行することで、他者を巻き込む事故につながります。また、シートベルトの着用をしないで走行することで、転倒時に投げ出される危険性も高くなります。

パレットの危険な積み方

パレットの重量や数を考えず、作業の効率化ばかりを考えて許容量を超える詰み方をすることも、大きな事故の原因になり得ます。
例えば大きな荷物を一気に運ぶために、いくつもの荷物を一気に持ち上げた場合です。バランスを崩して、荷物が人を直撃すると死亡事故にまで発展しかねません。正しい手順と規定の量を守ることが、安全に作業するために意識すべきことです。

フォークリフトの点検や整備不足

メンテナンスや整備、点検をせず長期間放置すると、フォークリフトの故障する原因になるだけではありません。
荷役装置や走行装置が正しく作動しなくなる可能性が高くなります。フォークリフトから普段は聞こえないような異音がする場合や、機体が悪臭を放つ場合などは、必ずメンテナンスや修理に出すようにしましょう。

フォークリフトの作業範囲が不明瞭

フォークリフトの作業範囲内に人が入ってくること。見通しが悪い場所や入り組んだ作業現場などにおいて、運転手以外に誘導者が居ないこと。
このように、フォークリフトの作業内と人が立ち入る区域に明確な線引きをしていないことによって事故は起きます。
そのために、フォークリフトの作業範囲を明確に定めて分かりやすく表示をすること。加えて周囲の人間も、それらのルールを守ることや事故防止の意識をもつことが大切です。

フォークリフトの一般的な安全対策

事故を防ぎ、安全に作業するためにも、基本的な安全対策は万全にしておく必要があります。

フォークリフトと人の通路を分ける

通路をフォークリフトが走行する区域と人が立ち入る場所に分けて、接触を防ぐことが大切です。ひと目で分かりやすいように、目立つ色のテープを貼るなど工夫をしましょう。

走行経路に他の作業員が侵入することを防ぐ

入り組んだ作業場や死角の多い場所での事故を防ぐため、近くに回転式の蛍光灯を設置するのも効果的です。どこで作業をしているか分かるようにし、他の作業員が侵入しないよう働きかけましょう。

指差し確認・呼称確認の徹底

免許を取る時のように、実践現場においても指差し確認や呼称確認を徹底しましょう。そうすることで、フォークリフトへ乗り込む前に、車体への異常を見つけられる機会を作ることができます。

安全な乗り方・安全な荷物の積み方の徹底

当たり前ですが、安全な乗り方や荷物の積み方などは、一貫して守らなければなりません。くれぐれも、作業目的以外にフォークリフトを使用しないこと。そして、「短時間なら大丈夫だろう」といった油断をしないことです。
無理な荷物の積み方をしたり、エンジンをかけたままフォークリフトから離れたり、他の作業員をツメ部分に乗せて積み下ろしをしたり…。
このような、普段の何気ない行動が事故を招きます。何年もフォークリフトに乗っているベテラン作業員でさえ、事故を起こす可能性は低くありません。

危険予知トレーニング

自動車の教習でも指導されることですが、危険予知は常にするように心がけましょう。「ここでは人が来ないから安心」ではなく「急に人がくるかもしれない」。 「このぐらいの軽さの荷物なら、固定しなくても大丈夫だろう」ではなく「軽い荷物でも、固定しないとバランスを崩すかも知れない」といった考え方は非常に大切です。

ドライブレコーダーを採用する

事故の防止や、安全のための教育及び指導に役立つ、フォークリフト専用のドライブレコーダーを採用するのも、安全対策の1つです。
万が一事故が起こってしまった場合にも、明確な事故原因を究明しやすいといった機能もあります。

フォークリフトの安全を守る新しいソリューション「FORKERS」

これまでの方法に加えて、FORKERS (フォーカーズ)のようなフォークリフトの稼働状況を監視できるようなソリューションを取り入れることも選択肢の1つ。
FORKERSを使用すればIoT技術によって、フォークリフトの稼働状況を遠隔で監視できます。
また、センサーによる事故防止やデータ化のほか、危険運転を探知したり、動画を撮影したりと、さまざまな方向から事故を未然に防ぐための補助として活躍してくれるのです。

FORKERSの詳しい説明はこちらから

FORKERSについてはこちらからお問合せください。



ページTOP

当ウェブサイトでは、サイトの利便性やサービスを改善するため、Cookieを使用しております。このまま当ウェブサイトをご利用になる場合、Cookieを使用することにご同意いただいたものとさせていただきます。Cookieに関する情報や設定については「個人情報保護方針」をご覧ください。

同意して閉じる