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会社で道場を開いてみた

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はじめに

タイトルから「何言ってるんだ、こいつ?」って思いましたよね?藪から棒ですみません。
三井情報 技術戦略部の岩井と申します。
今回は三井情報の新しいエンジニア育成プログラム(になる予定)である、「MKI流道場スタイル」について紹介します。

1. 道場って何?

道場と聞いて皆さんが思い浮かぶのは、街中などでやっている空手とか武道の道場ではないでしょうか。私は道場に通った事ないのですが。
MKI道場ではそのIT技術版をやろう、というわけです。
…すみません、全然意味わからないですよね。安心してください、ちゃんと説明します。

すでに社内には、「MKIグループアカデミー」という従業員の所属に関わらずIT技術力向上を目的とした教育の仕組みがあります。今回お話する「道場」はアカデミーとは違ったアプローチでIT技術のナレッジを集め、エンジニアが育つ場所を作ろう、というコンセプトで始まった新しい自律的成長プログラムです。

道場の肝になるポイントは次の3つです。

他者に強制されず、道場のテーマに興味がある人が集まる場所 参加者(門下生)が自主的に学び、知識と経験を披露し合う場所 出入り自由でワイワイと楽しみながら学べる場所

つまり、自分の意志で参加して自分の意志で学習する、一人ひとりの自主性を重んじたスタイルになっています。

2. 講義とは違うの?

新しい自律的成長プログラムと言っても、ただ奇をてらいたいのではなく、講義にはない明確な利点があります。

講義 一方向コミュニケーション、道場 双方向コミュニケーション

講義では、生徒は参加して耳を傾けてさえいれば情報が自動的に入ってきます。そのため、知識を得るだけであれば、講義だけで十分です。しかし裏を返すと事前に用意したテキスト以上の知識を得ることはできないですし、講義だけですべての教育を完結させようとすると生徒はエサを待つ金魚のように自分から新しい知識を学びに行こうとしなくなってしまいます。

一方で道場は、まず自主的に勉強することを推奨しており、その成果を他の門下生に共有してもらいます。こうすることで大海原にエサを求めて泳ぎだすマグロのように、自分から新しい知識を取り込む癖がつくようになります。さらに、他者からナレッジや経験を共有されることで、自分では思いもしなかったような予想外の「気づき」を得ることができます。

まとめると、基礎的で体型化した知識を得るなら講義の方が向いているが、幅広い知識や経験が必要な分野を学ぶのには道場が適している。そして、道場は門下生が自主的に勉強する姿勢を育てる場でもある、というわけです。

3. 具体的にどんなことを勉強しているの?

現在はデータモデリング道場というデータモデリングの技を磨き合う道場を開催しています。データモデリングはユーザの業務知識、エンジニアとしての経験、デザインセンスなど幅広い知識を複合して行うため、高度なスキルが求められます。そのため、先ほど紹介した道場の利点が、データモデリングの学習に合致しているのです。

基本的な活動内容としてはテレビ会議で2週間ごとに集まり、テーマを決めて議論を行ったり、お互いに学んだ内容を発表し合ったりしています(これをワイガヤ、ぶつかり稽古と呼んでいます)。

そんなデータモデリング道場の輝かしい歴史を、年表で紹介したいと思います。

2022年度 9月:道場の企画始動、10月:データモデリング道場の開催が決定、11月:データモデリング道場スタート、2月:データモデリング道場Season2022終了 2023年度 6月:データモデリング道場Season2023始動、現在に至る…

…お気づきでしょうか?
そうです、まだ始まってからそんなに日が経っていないのです。
私を含めた運営メンバーもまだまだ運営方法の正解が見つからず、日夜ああでもないこうでもないとアイデアを出し合い、実際に道場でそのアイデアを試しながら道場スタイルの確立を目指しております。

4.実際やってみての課題、苦労したこと

新しい試みをするわけですから、当然色々な失敗や苦労もありました。
今でこそどれも克服できていますが、当時を振り返って紹介します。

①メンバー募集のやり方を間違えた

メンバー募集時の謳い文句がよろしくなく、道場が始まった当初は門下生の一部に「メンバー間に上下関係がなく自主性を重んじる」という道場の意義が上手く伝わらず、受け身の姿勢で参加する門下生がいました。グループ討議をしているときに誰からもリアクションが貰えなかったり、アンケートを取った結果「普通の講義をしてほしい」という意見を何件か貰ったりした時は地獄でした…。今は道場の意義を説明したうえで意欲あるメンバーに集まってもらっているので、活発な議論ができています。

岩井 ○○についてどう思う?

②トークテーマのスコープを間違えた

道場が始まってからある程度経ったところで、門下生の間で理解度にかなり差が開いてきていることが分かりました。道場の本来のスタンスでは、「理解が追い付かない場合は頑張って勉強するか、自主的に周りに質問してね。」とするべきだったのですが、彼らのフォローをするために何回か基礎的な内容の補講を行いました。経験者やある程度理解できている門下生からしたら、その期間はかなり退屈に感じてしまっていたと思います。今は分からないことがあればMicrosoft Teamsに作った質問コミュニティに投稿してもらうようにし、ぶつかり稽古では実用的なテーマを取り上げています。

岩井 ××ってこういうことでね… 経験者 退屈だな… 初学者 多分わかった…

さいごに

このようにまだまだ道場スタイルの正解も見つかっておらず、常にどうしたらより良くなるか悩み続けているわけですが、それが新しいことを始めることの難しさであり、やりがいでもあるとも思っています。まずは、門下生全員が満足できる道場を目指していきます。

そしてゆくゆくは、道場スタイルの有用性を全社に認めてもらい、様々な分野に裾野を広げてMKIアカデミーでの自律的成長プログラムのスタンダードに加わる、さらに社外にも道場の風土を広めていけたら…という野望も抱いておりますので、岩井の長い闘いはこれからも続きます。

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執筆者

岩井
技術戦略部 開発技術室
2017年に新卒入社し、特定アカウント顧客のシステム導入・運用・保守を担当。
現在は技術部門向け社内システムの開発保守、技術部門向け自律的成長プログラムの運営に従事。

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