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Amazon Alexa技術調査・検証 in Seattle

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今回は、Amazon社が提供する音声認識サービス「Alexa」の技術調査及びプロトタイプ開発・検証を目的に、米国シアトルへ出張した時のお話をしたいと思います。

7月のシアトル

今回出張したのは7月の上旬で、この時期のシアトルは雨も少なく、湿気もなく大変すごし易い時期です。夏は日照時間も長く、夜9時くらいまで明るいです。

夜10時位のシアトル(まだ少し明るい)

海に面しているため、新鮮な魚介類が豊富で、美味しいシーフードレストランも多く、滞在期間中は海鮮系の食事には困りませんでした。

海に面したパイク・プレース・マーケット

またシアトルと言えば、イチローがいたマリナーズの本拠地として有名ですが、マイクロソフト、アマゾン、スターバックスといった世界的な企業の本社があり、シアトル郊外にはボーイング社の世界最大の組立工場もあります。我々日本人にも大変馴染み深い都市です。

Amazon Alexa

Alexaはアマゾン社が提供するクラウド型の音声認識サービスです。米国で爆発的にヒットしている音声アシスタントスピーカー「Amazon Echo」を使用した音声入力により、Alexaを介した各種音声サービスを利用する事ができます。
例えば、Amazon Echoに向かって「今日の東京の天気は?」「今日のニュースは?」「ピザの注文をしたい」など問いかけると、ユーザは天気やニュースを聞いたいり、ピザの注文を音声で行うことが出来ます。
このようなサービスは、Amazon Echo からAlexaに送られた音声リクエストをテキスト変換し、「スキル(Skill)」と呼ばれるアプリケーションで処理を行うことで実現されます。
このスキルは「Alexa Skills Kit」と呼ばれるAmazonが提供するフレームワークを利用して開発することができます。 実際の音声リクエストに応じたサービス処理は、スキルと連係するAWS Lambdaの様なプログラム実行サービス上に実装する必要があります。
また、Alexaの対応言語は、現時点では英語とドイツ語のみであり、Amazon Echoも日本ではまだ発売されておりません。そのため、皆さんが日本で利用する環境はまだ整っていないと思われます。
今回の出張は、一足先に米国でのAlexaの最新技術取得及び、実証開発・検証を目的としています。

Amazon Echo(ユーザデバイス) ➀音声リクエスト ⑥音声応答 Amazon Alexa Service Alexa音声サービス(音声認識/合成等) ➄テキスト応答 ➁テキストリクエスト Alexa Skills Kit Custom Skill ③リクエスト ➃応答 Lambda Service Application

Meetup

Alexaの技術調査・取得を目的に、シアトルで行われた以下の二つのMeetupに参加しました。

  • Alexa Skills Workshop(CODING DOJO社主催)
  • Amazon Alexa Tech Talk and Networking Event(Amazon社主催)

Meetupでは、Alexaの概要からAlexa Skills Kitの利用/構築方法、Alexaを活用したサービスの開発方法などを中心に講義及びハンズオンが行われ、今回のプロトタイプ開発検証を行う上でとても役に立ちました。
またAlexa技術者とのNetworkingも行われましたので、今回の開発検証で判明した課題点や疑問点に関する質問や意見交換等を行う事ができ大変有意義でした。検証した結果を即座にAmazon Alexa技術者にフィードバックし、意見や情報を得られたのも現地で検証したからこそ、出来たことですね。

Alexa Skills Workshop風景

Alexa Tech Talk and Networking Event会場とTech Talk風景

Amazon Echo Showと連係するライト

プロトタイプ開発検証

開発検証では、Alexa Skills Kitを使用して、以下を実現する音声Botプロトタイプを開発・検証し、正常に動作した事を確認しました。

  • AlexaとOffice365の連係

複数の人の空きスケジュール確認や会議登録/案内メールの送信を音声により実施

  • IoTプラットフォーム(AWS IoT)/IoTデバイス連係

センサデバイスと連係し、音声によりプレゼンス(在席)を確認

Alexa-office365検証

米国で発売されたばかりのAmazon Echo showを使用した検証(office365検証(右)/IoT検証(左))
Amazon Echo showはモニターが付いているので音声だけでなく画面上にAlexaからの応答メッセージを表示することができます。

2017年は音声アシスタントスピーカー元年と見る向きも多い様で、日本でも今後各社からAmazon EchoのようなAI機能を搭載した音声アシスタントスピーカーが発売される予定です。それと合わせて、Alexaのようなサードパーティ開発可能なオープンな音声サービスプラットフォームにより、様々な音声サービスが開発、提供され、今後我々の生活も様変わりするかもしれませんね。
当社も今回の開発検証で得た知財、技術をもとに、革新的なサービスを提案、提供できるよう引き続き取り組んで参りたいと思います。

執筆者

大貫 真
デジタルトランスフォーメーションセンター R&D部 研究開発室
現在、BotやDeep Learning、ブロックチェーンなどの研究開発に従事

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