はじめに
「Agentic AI × Low-Code で未来を創る」――そんなテーマに魅力を感じ、三井情報のOutSystems CoE (Center of Excellence) の所属メンバー5名でチームを組み、OutSystems AI Agent Hackathon 2025に初挑戦しました。CoEとして、AIエージェントを技術的に理解するだけでなく、実際の業務にどう適用するか検証することを目的に応募。約1カ月間の挑戦の末、AIエージェントを活用したアプリを完成させ、2位入賞という結果を手にしました。
本記事では、ハッカソンの概要、開発したアプリのコンセプト、そしてハッカソン挑戦を通じて得た学びをご紹介します。
AI Agent Hackathonについて
今回参加したのは、OutSystems User Groups Tokyo主催のAI Agent Hackathon 2025です。
テーマは「Agentic AI × Low-Code で未来を創る」。
Agentic AI は複数のAIエージェントが協調し、自律的に動作する仕組みとなります。そして、OutSystemsはローコード開発プラットフォームであり、短期間で高品質なアプリを開発できる強みがあります。つまり、このハッカソンは、ローコードのスピード感を活かし、AIエージェントを組み込んだアプリケーションを創出することに挑戦する場でした。日本と韓国から多くのチームが参加し、熱気あふれるイベントとなりました。
開発したアプリのコンセプト
私たちが開発したのは、イベント企画をサポートするAIアシスタント「イベまる君」です。イベント企画・運営の担当者をターゲットユーザーとし、誰でも扱いやすいアプリになるよう設計しました。
現状の課題として「担当者一人で企画することによる視点の偏り」と「ノウハウが蓄積されないこと」の2点があると整理しました。
イベまる君は、この2つの課題を解決するために次の仕組みを備えています。
1つ目は、AI同士でのディスカッションです。イベント企画時に議長役のAIがイベントの特性に応じた人格を設定し、複数の異なる人格をもったAI同士が議論して企画を提案・ブラッシュアップさせていくことで、幅広い観点から質の高い企画を安定して検討できます。
2つ目は、アンケート設計から分析までの自動化です。
イベント開催後、AIがイベント内容に応じた設問を考え、アンケート配信から集計・分析までを自律的に進めてくれます。分析結果は次回の企画検討時のAIディスカッションにも活かされるため、PDCAサイクルが自動で回り、ノウハウの蓄積と活用が実現されます。
このように、イベまる君は企画から振り返りまでを一貫してサポートします。イベント担当者の負担を減らし、質の高い企画を実現するためのAIアシスタントです。
開発期間中の取り組み
約1カ月という限られた期間でアプリを完成させるため、5名のチームメンバーが明確な役割を担いました。
若手2名(うち1名はOutSystems経験わずか半年!)が実装担当となり開発を進め、AIの知見を持つベテランメンバーがAIモデル構築を担当。そして、資料作成担当のメンバーと、全体の進行管理・監修をするリーダーという体制です。日次ミーティングで進捗を確認し課題があればすぐに共有・相談する仕組みを整え、それぞれの強みを活かしながら効率的に作業を進めました。
開発初期のブレストで「AI同士に会話させるのは面白い」というアイディアが出てイベまる君のコンセプトが決定しました。しかし、いざ実装となると、AI Agent自体を初めて触る私たちでは、どうやれば実装できるのか迷う場面も多々ありました。例えば、議論メンバーへのプロンプトで「若手らしく振舞って」と指示したところ、語尾が「~っす」になってしまうなど、思わぬハプニングも。試行錯誤の連続ではありましたが、笑いの絶えない楽しい開発でした。
最終審査と結果
書類選考を通過し、最終審査までの準備期間は2週間。会場でのプレゼンに備えて、新たにデモ動画と資料を作成し、社内では別プロダクトのハッカソン経験者にプレゼンのリハーサルを行い、アドバイスをもらいました。入念な準備を経て迎えた最終審査当日。六本木の会場に各チームが集まり、緊張感と熱気に包まれる中、私たちは「イベまる君」のコンセプトと工夫点、デモを発表しました。
審査員の方からは「すぐ会社に導入できる」「イベント運営を一貫してサポートできるのがすばらしい」と高評価をいただきました。
結果発表で2位入賞と告げられた瞬間、メンバー全員が驚きと喜びで顔を見合わせました。韓国チームが総合1位を獲得する中、日本勢ではトップの成績となりました。
メンバーの感想
鈴木: AIエージェントを「使うこと」が目的にならないよう、業務にどのような価値を生み出せるのかを意識して取り組みました。AIエージェントの活用は初めてでしたが、ハッカソンを通じ、今後さらに活用が広がっていくであろう技術について理解を深めることができ、よい経験となりました。
山田: 三井情報でOutSystemsに取り組んで8年になりますが、今回のハッカソン挑戦が社外へのアピールにつながればと思い参加しました。今回の入賞はビギナーズラックとも感じていますが、AIエージェントなど新しい技術への取り組みは今後も重要だと実感しました。
近藤:私は資料作成と最終選考のプレゼンを担当しました。最後を任されたプレッシャーの中、チームの成果をしっかりアピールできたことは貴重な経験となりました。2位に入賞できたことを嬉しく思います。チームメンバー、そしてアドバイスをくださった部の仲間に心から感謝しています。
堀田:初めて挑戦したハッカソンで、AIエージェントという新機能を学びながら開発を進めました。AI開発の知見が深まる良い経験となり、2位という実績を残せたことで自信もつきました。この経験を糧に、次回はさらに高い完成度を目指します。
下郡:初めてのハッカソンとAIエージェント活用の挑戦は、期限内に完成できるか不安もありましたが、チームで協力しながら試行錯誤を重ね、形になっていく過程はとても刺激的でした。上位入賞という結果にもつながり大きな達成感がありました。今回の経験を次につなげていきたいです。
まとめ・今後の展望
ハッカソンを通じて、OutSystemsのAIエージェントの可能性を強く実感しました。ここで得た知見を糧に、業務課題の解決に向けた新しいアプローチを探り続けていきます。次は世界中から参加者が集まるグローバルハッカソンへの挑戦を目指したいです。
鈴木、堀田、近藤、下郡、山田
ビジネスソリューション第一技術部 第二技術室
鈴木、堀田、下郡:CoE として OutSystems を専門に、ローコード開発の推進を担当
近藤:AI 駆動開発に関する検証業務を担当
山田:ローコードの開発PJ参画やAI 駆動開発に関する検証業務を担当
三井情報グループは、三井情報グループと社会が共に持続的に成⻑するために、優先的に取り組む重要課題をマテリアリティとして特定します。本取組は、4つのマテリアリティの中でも特に「情報社会の『その先』をつくる」「ナレッジで豊かな明日(us&earth)をつくる」の実現に資する活動です。
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