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米国学校教育とICT

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目次

今回は、ニューヨークに赴任した私が約2年間の米国での生活を通して、日々の生活から感じられる米国のICT についてお話したいと思います。

日常生活で感じる米国のICT

米国はICT の最先端と言われ、西海岸を中心に、また近年では東海岸(ニューヨーク)でもIT ベンチャーが数多く生まれていますが、日々の生活においてもICT が進んでいると感じられることがよくあります。それはICT 自体が進歩しているというだけでなく、恐らく利用するユーザもICT に対して積極的で、気後れ感がないように思えます。例えば、朝晩、通勤電車に乗っているとiPad やNote PC(多くはMac です)で仕事をしているビジネスパーソンをよく見かけます。恐らく、BYOD等が進んでいるのだと思います。日本ではセキュリティ面からかそれ程見かけない風景のような気がします。

外部から来るヒトやモノを受け入れる多民族国家の寛容さ

さて、私には、7 歳の息子と3 歳の娘がおり、それぞれ小学校(Elementary school)と幼稚園(Pre school)に通っています。米国の教育制度は、Pre school(日本の幼稚園年少、年中)から始まり、Kindergarten(幼稚園年長)、Elementary School(小学校)と続きます。

米国教育の特長として、ご存知の通り、米国は多民族国家であり、学校にも様々な国籍の生徒が集まります。その為、学校にはELL(English Language Learners)といって英語を母国語しない生徒に対して英語教育を提供することが義務付けられています。

ニューヨーク州では、昨年まではESL(English as Second Language)といって“英語を第二外国語とする生徒” という意味でしたが、グローバル化?が進み、単純に英語が第二外国語ではなく、英語が第三外国語、第四外国語の生徒も増えており、今年度からESLからELLという名称に変更になりました。私の息子もELLを受講しています。学校教育から見ても、外部から来るヒトやモノを受け入れるということに対して寛容で、慣れているのでしょう。

1898年設立の歴史ある小学校

学校で何気なくICT に触れ、保護者との情報発信にも積極的に取り入れる

前置きが長くなりましたが、Elementary School の教室に目を向けると、全教室にSmart board が設置されており、先生はSmart board をホワイトボードの代わりに利用したり、またPC とSmart board を接続し画像や動画を見ながら授業を行います。また各教室にはiPad とPC が設置されており、生徒は日々の学校教育の中で、何気なくICT に触れることができます。

Shutterfly で担任から共有されたSmart board での授業風景 (何を学んでいるのかはよく分かりませんが…)

また、Smart board、iPad といったDevice の他にも、クラウドサービス等を活用して、学校情報の情報発信、保護者とのコミュニケーションを促進しています。こちらは子供達が通っている学校で利用されているサービスです。

息子の通う学校は1898 年に設立した古い学校(校舎は当然建て替えられているとは思います)が、このようにDevice からサービスまで、学校教育そのもの、保護者とのコミュニケ―ション、情報発信にICT が積極的に取り入れられています。
個人的には、利用者の立場から考えるとサービスが分散しており、またID、パスワードの管理が大変ですので、教育ICT サービスを統合したクラウド型のPlatform があると便利だと感じています。

学習 情報発信 ボランティアのSign up 決済 緊急連絡

素直に受け入れる国民性が、ICT の活用を進める理由かもしれない

近年、日本でも教育ICT が注目されるようになってきており、当社も含めて様々なICT ベンダーが学校教育へのICT 導入を推進しており、日本の教育も最近はこのようになっているのかもしれません。ただ、何となく、米国には“教育ICT” といった気構えはあまり感じられず、新しいこと、便利なこと、既成概念とは異なるものを素直に受け入れる国民性が、ICT の活用という面でも進んでいる理由かもしれません。

執筆者

森谷 辰輝
MKI (U.S.A.), Inc.
2014年4月より、NYにあるMKI USA本社に赴任。

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