日経BP社のWebサイト『ITpro』にて、9月より隔週計10回のWi-Fi(無線LAN)の連載記事を執筆しています。
私は2013年頃からWi-Fi(無線LAN)関連のプリセールスエンジニアとして営業担当を支援しています。スマートフォンの登場以降、Wi-Fiは非常に広く使われる通信手段でありながら、有線のネットワークと違い、周辺ノイズや電波環境等により通信が不安定になるという不確実な通信技術。お客様からは電波知識や通信品質への厳しい要求があり、それまで社内にいなかった無線領域を主とするエンジニアとして活動しはじめました。
Wi-Fiは見えない電波を利用しているということで、実測結果を求められる機会が多くあります。公園や当社東中野オフィス前でアクセスポイントを設置し実測するなど、屋外でのテストを実施したり、障害の再現検証のために端末百台をマンパワーで接続検証したこともあります。
私が所属するネットワーク技術部では、Wi-Fi関連の測定における多くの経験を蓄積してきました。また、何よりも弊社にはWi-Fi検証用測定器が取り揃えられています。今回の連載では実体験を活かしつつ、様々な測定器を利用した検証記事を書かせて頂きました。

公園で、Wi-Fiの飛ぶ距離を検証


東中野オフィス脇で、Wi-Fiの飛ぶ距離を検証
執筆10回連載のポイントは?
昨年、日経NETWORK誌Wi-Fi特集で取材を受けたことがきっかけで、今回の連載のお話しを頂きました。単なる技術解説ではなく「実測値データを基に、IT担当者のWi-Fiへの疑問を専門家の検証作業を通じて解消する」という企画での執筆依頼でした。
測定データがポイントなので、まず測定可能なデータを考えつつ、お客様からよく質問される内容や知って欲しい無線LANの基本的な動作という内容で連載を構成しています。
例えば、アクセスポイントなんて家電量販店で買ってくるので十分では?といわれる方もいらっしゃいます。連載第1回はそのような質問に対する一つの答えとして「家庭用APと企業用APの違い」を明らかにしています。
連載第2回では、規格値と実測値では異なる点、AP(アクセスポイント)に200端末つながると製品規格上に明記されていても、実際には通信できない…というような検証をしています。
さらに、本で読んだことはあるけれども、実際には検証されていないことも連載に盛り込みました。例えば、Wi-Fi構築時に「電子レンジで電波干渉が…」とよくお客様に説明するのですが、実際には検証されていないことが殆どです。聞いたことはあっても見たことはない、そのような点に着目して書いています。
様々な場所にWi-Fiを導入した際のフィールドでの測定経験があり、何よりも豊富なWi-Fi検証機環境を揃えているMKIだからこそできた連載だと思います。ネットワーク分野以外の方でも読みやすいよう心がけて書いたので、是非ご覧頂ければ幸いです。
ITpro連載目次
連載回数 | 記事タイトル |
---|---|
1 | 企業向けと家庭向け、アクセスポイントの実力差を端末40台で調べた |
2 | Wi-Fiアクセスポイントの「200台つながる」にウソはないか |
3 | 「Wi-Fiは電子レンジに弱い」を確かめてみた |
4 | 高速な「チャネルボンディング」はいいことだけなのか? |
次回[第5回]は11/3(木)更新予定です。

厚田 大輔
基盤技術グループ ネットワーク技術部 第一技術室
主にWi-Fi(無線LAN)領域のSEを担当。
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