三井情報株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:真野 雄司、以下 三井情報)は、リピドミクス解析に用いる脂質同定ソフトウェア「LipidSearch(リピッドサーチ)(*1)」の最新バージョン「LipidSearch5.2」の提供を開始しました。
三井情報では今回のアップグレードを通じて、大量サンプルの比較解析及びデータ容量の増加に起因する膨大な解析時間の短縮を実現しました。また、新機能追加によるユーザビリティ向上、セキュリティ対策強化により、ユーザーのリピドミクス研究を支援します。
■主なアップデート
①大規模解析を支援するための改修と機能追加
l ピーク抽出、同定、アラインメントのアルゴリズム改善による解析速度の向上
サンプル数が200から時に1000を超える大規模な比較解析を行うユーザーが増え、解析にかかる時間の短縮の要望が多くありました。その要望に応えるため、解析アルゴリズムの改善によりサンプル数の多い大規模解析にかかる時間の短縮を実現しました。従来のLipidSearchと比較して、脂質同定処理時間(*2)が約4分の1、アラインメントが8分の1、トータルの解析時間では7分の1になり、解析時間が大幅に短縮されました。(サンプル数750での比較)
- large dataset(750sample) performance vs LipidSearch build -
l アラインメント機能の強化
大規模解析を行う場合に手間のかかる、アラインメント登録時のグループ分け作業をファイル名のルールから自動で設定する機能を追加しました。加えて、解析を実施したアラインメント結果に測定データを追加して、再度アラインメント解析が実行できるようになりました。この機能により、サンプルグループの変更や追加、何らかの設定ミスがあった際の再解析が容易かつ時間が大幅に短縮されました。また、他所で実施済のアラインメント結果を受け取って自身の測定データを追加した再解析も可能になりました。
②ユーザビリティ向上のための機能追加
・解析結果のエクスポートファイルにLIPID MAPS® のIDを追加等
③セキュリティ対策の強化
近年、ソフトウェアの脆弱性を突いたサイバー攻撃が高度化し、ソフトウェア開発においてもセキュリティ対策を強化する企業が増加しています。LipidSearchでは、SCA(Software Composition Analysis)ツールを使用したソフトウェア構成要素に含まれる脆弱性の特定、およびCVSS(Common Vulnerability Scoring System)スコアを基準とした優先順位付けによる迅速且つ的確な脆弱性対処を実施しています。また、リリース前後に脆弱性評価を実施し、重大な脆弱性が残らない形でのリリースとメンテナスを行うことでセキュリティ対策を強化しています。
(*1) LipidSearchは2010年に東京大学大学院医学系研究科 田口 良特任教授(当時)と三井情報が開発し世界47か国で利用されているソフトウェアです。これまで手動で行っていた脂質のデータ分析プロセスを自動化し、構造が不特定かつ多岐にわたる脂質の研究や未知な脂質の発見に寄与してきました。
(*2) 生データ読込みからピーク抽出、脂質同定処理にかかる総時間
以上
【関連ページ】
製品・サービスのご紹介:https://www.mki.co.jp/solution/product/lipidsearch/
【三井情報株式会社について】
三井情報株式会社(MKI)は『ナレッジでつなぐ、未来をつくる』をパーパスに掲げ、ICTを基軸とした事業を展開し、2030 Vision「未来社会の当たり前をつくる」の実現に向け、お客様と共に社会課題の解決や新たな価値の創出に取り組んでいます。第七次中期経営計画では、2023年4月からの3年間を「想創期」と位置づけ、半世紀にわたり培った技術や知見の結実である“KNOWLEDGE”を活かし、お客様と共に価値を創造する「価値創造企業」として絶え間ない挑戦を続けていきます。
ホームページ:https://www.mki.co.jp/
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