導入概要
国際空港を支える有線ネットワーク機器を刷新 機器の一元管理と状況の可視化を実現し、運用負荷も大幅軽減
中部エリアの空の玄関口である国際拠点空港、中部国際空港(セントレア)では、かつてネットワーク機器の操作や状況の把握などに課題を抱えていました。そこでネットワーク機器の更新を機に、三井情報の支援のもと、アラクサラネットワークス(以下、アラクサラ)のスイッチ「AXシリーズ」と、ネットワーク・マネジメント製品AX-Network-Manager(AX-NM)およびネットワーク可視化ソリューションAX-Network-Visualization(AX-NV)を導入。これにより、機器の一元管理と状況の可視化が実現し、運用管理の負荷も大きく軽減しています。


中部国際空港情報通信 株式会社様
情報システム部 インフラグループ グループリーダー
川原 浩史氏

中部国際空港情報通信 株式会社様
システム運用部 運用第1グループ
都築 広樹氏
お客さまの課題・目的
既存のネットワーク機器はインターフェースに問題
運用・管理ツールの機能も限界に
中部エリアと国際線42都市、国内線19都市(ピーク時)を結ぶ懸け橋であり、国内外の産業を支える物流拠点でもある中部国際空港。同空港はかつて海外製のネットワーク機器を導入していましたが、インターフェース設定などが業界標準ではなかったため、うまく活用できていませんでした。また、インターネットで使い方を調べようにも、あまり一般的な製品ではなく、十分に情報を得られなかったのも悩みでした。
この点について中部国際空港情報通信の情報システム部 インフラグループでグループリーダーを務める川原浩史氏は「操作性に癖があり、操作をゼロから覚えるのは大変でした。機器導入後の運用は自分たちで行っているのですが、私たちの守備範囲はセントレアだけなので、なかなか経験値を積み上げることができません。ベンダーに問い合わせても返答まで余計な時間を費やすなど、運用負荷は少なくありませんでした」と述べ、システム運用部運用第1グループの都築広樹氏も「私たちシステム運用部も、各機器に対する知識やノウハウはそこまで持たない上、マルチベンダー製品を使用していたため、機器により対応できるメンバーが限定される属人化も問題でした」と語ります。
同空港がこれまで運用管理や監視に使用していたツールは、できることに限りがあり、原因の把握、細かな切り分けが困難でした。そこで、機器更新のタイミングを見計らって、これらの課題の一掃を目指すことにしたのです。
ソリューション・解決方法
使いやすさやコストバランス、長期サポートなどを評価し、アラクサラ製品を核とした三井情報の提案を採用
中部国際空港が具体的な製品の検討を始めたのは2019年のことでした。選定にあたっては、従来のマルチベンダー環境における運用の難しさを痛感していたことから、ネットワーク機器のメーカーを統一することを目指し、操作性やコスト、信頼性、サポートなどもポイントとしました。2020年に4社から提案をもらって検討を進め、2021年4月、アラクサラ製品を核とした三井情報の提案を採用しました。「アラクサラ製品は業界標準のコマンドラインなので、インターフェース設定などになじみがあり、コストバランス、最大10というサポートの長さなども大きなメリットでした」(川原氏)
同空港では、以前からL2スイッチの一部にアラクサラ製品を採用しており、使いやすさ、壊れない点も大きなポイントになりました。「設置場所は過酷な環境も少なくありません。別メーカーの製品ではファンが原因で何度か故障したものもあったのですが、アラクサラ製品はファンレス構造など、対策もしっかりしていると感じました」(都築氏)
今回は、ネットワーク機器と併せてネットワーク・マネジメント製品AX-NMとネットワーク可視化ソリューションAX-NVの導入も行っています。「限られたコストで私たちが求める運用管理が可能な製品として選びました。各機器との相性の良さ、第三者からの評価の高さ、トラフィック等の状況の変化が把握できることに魅力を感じました」(川原氏)
効果と今後の展開
広い空港における運用管理の負荷が大幅に軽減
機器の一元管理と状況の可視化が実現
スイッチの入れ替えは2023年11月に完了予定ですが、ここまでの導入について川原氏は「三井情報のサポートを受けたおかげで、作業はとてもスムーズに進みました」と評価します。
また今回、中部国際空港は有線ネットワークの機器すべてをアラクサラ製品に統一し、AX-NMへ取り込むことで一元管理を実現しました。これにより、ネットワークの状況が高い精度で可視化されました。さらにAX-NVでは3D表示が可能なため、障害リアを特定し、俯瞰画面から装置の故障箇所と影響範囲が分かるようになりました。これは空港のような広範囲ではとても重宝しているといいます。「トラブル調査も、初めからあたりを付けて現場に行くことができるため、切り分けも容易で、短時間で解決できるようになりました。誤検知が少ないのもいいですね」(都築氏)
加えて、川原氏は端末トレーサビリティ機能も高く評価します。 「過去の端末の接続履歴が容易に把握でき、特定IPの端末もワンタッチで検索できます。AX-NVでトラフィックも追えるので、必要な際に的確な調査を行うことが可能になりました」
収集された情報は一元化されて残るので、必要な際にすぐ参照できます。空港ではテナントの入れ替わりも多いため、これに伴うメンテナンスの際、従来は人による作業からのため設定等にどうしても抜けや漏れが生じていましたが、今後はシステム的にカバーできるようになるため、ミスや負荷軽減への貢献を期待しているとのことです。

AX-NMに取り込んだ情報と統合運用・管理ツールを連携
プロアクティブな対応の実現を目指す
今後、中部国際空港ではAX-NMに取り込んだ情報と、以前から使用している統合運用・管理ツールを連携させ、怪しい通信を捉えたときはAX-NMからアラートを上げるような運用を検討しています。
「三井情報には導入時だけでなく、運用面でも的確なアドバイスをしてもらっており、スムーズな運用が実現できています。また、疑問点への対応のレスポンスが早く、何度も助けられました。将来的には、何か問題が起きてから対応するだけではなく、プロアィブな対応を積極的に行っていくことで、いち早くトラブルの芽を摘んでいければと考えています」(川原氏)
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※記載されている社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
導入サービス
中部国際空港株式会社、中部国際空港情報通信株式会社について

名称: 中部国際空港株式会社
所在地: 愛知県常滑市セントレア1-1
事業内容: 中部国際空港(セントレア)の運営
ホームページ:https://www.centrair.jp/corporate/information/cjiac.html
名称: 中部国際空港情報通信株式会社
所在地: 愛知県常滑市セントレア1-1
事業内容: 空港業務の改善・システム化の支援
ホームページ:https://www.centrair.jp/corporate/information/com.html