導入概要
兼任&ひとり情シスの「社外情報システム部門」として活用
親会社のITガイドライン対応がグループ会社全体の上位レベルに到達
甲南埠頭株式会社は、ITの導入や推進、管理、運用(以下、IT業務)の品質向上、業務負荷軽減にあたり、MKIのITインフラ運用支援サービスを導入しました。導入前は、経理部門の1名がIT業務を兼任する中、IT導入や保守・運用はITベンダー任せで、IT戦略やシステム企画・計画が描けず、問合せ対応に追われていましたが、MKIの支援により、総合の自己評価が導入前の30点程度から、現在は80点程度に向上したといいます。
甲南埠頭株式会社は1969年に設立され、2019年に50周年を迎えました。現在に至るまで、阪神・淡路大震災をはじめ様々な困難に直面してきました。現在の日本はコメを除く主要穀物や原糖の供給を海外に大きく依存しており、私たちの食生活は輸入食品原料で支えられていると言っても過言ではありません。甲南埠頭は神戸港における食品コンビナートの玄関口として、大型貨物船で海上輸送されてくる食品原料を安全に荷揚げ・保管し、近隣の食品メーカー様へお届けすることで、日本の食の安定・安全・安心を支えています。
経理部門1名がIT業務を兼任。ITベンダー任せの業務運営、問合せ対応の高負荷、親会社のITガイドライン対応が大きな課題に
経営管理本部 経営企画・監査部長の岩田
光平氏は、導入前の様子を以下のように振り返っています。「私は、当時経理グループ(2020年より部単位制に変更)に所属しており経理業務と兼務でIT業務を担当してきました。1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受け、ITや事業継続の重要性は認識しつつも、ITの専門知識やノウハウがなく、また組織的な活動もできず、ITの進化や運用・管理の煩雑さに限界を感じていました。」
2016年当時、大きく3つの課題を抱えていました。
(1)IT製品の導入、保守・運用がベンダー任せで、IT戦略や計画を描けない
数社のITベンダーから製品・サービス(以下、IT製品)の導入、保守・運用を委託するも、提案や金額の妥当性を判断できず、ITベンダーの管理ができていませんでした。また、IT業務や環境の管理が不十分で、IT戦略やシステム企画・計画を描けない状態でした。
(2)問合せ・トラブル対応が本業の足かせに
もう一つの課題が、社員からの問合せ対応です。特にPC対応は1か月のうち2週間くらいを費やし、月末月初の1週間は本業の経理業務との重複で対応が遅れ、現場から不満の声が上がっていました。また、システム障害などのトラブル時も、切り分けやITベンダーへの連絡に時間を要していました。
(3)親会社のITガイドライン対応
上記に加え、2015年に親会社が規定したITガイドラインの順守/実装化、監査対応が要求されましたが、ガイドラインの理解や実装・対応に躊躇し、総合評価がよくなかったのです。
支援範囲・スケジュールの柔軟性とコストのバランスから選定
課題解決に向け、アドバイスや業務代行を含むIT業務支援サービスの検討を行いました。下表の選定ポイントを設けたのですが、特に甲南埠頭に近い目線でトータルな支援を重視しました。というのも、過去に他社の紹介で大手ITベンダーの支援を受けた際、自社販売製品には手厚いアドバイスや支援がある一方、他社製品への支援が得られなかったのです。
MKIと大手ITベンダー2社に提案依頼しましたが、MKIのみが課題解決や選定ポイントを満たしていました。トータルな支援、親会社のITガイドライン対応の不足面・改善案の説明、契約・前提条件に無理がない点に魅力を感じました。
≪外部支援サービスの選定ポイント≫
外部支援支援範囲やスケジュールの柔軟性サービスの選定ポイント |
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コスト |
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2-3か月での現状整備&ITロードマップ作成、その後本番サービスへ
ITインフラ運用支援サービスは、以下の流れで導入が進みました。
(1)現状整備/アセスメント、ITロードマップ作成(3か月)
現状業務(As-Is)やIT環境の可視化、課題抽出、今後の方針を整理し、To-Be像のITロードマップ、業務内容や範囲(SOW)を作成しました。
(2)本番サービス(現在)
ITロードマップやSOWに基づき、以下の支援を受けています。
※下記は甲南埠頭様向けの内容です。本サービスは、お客様毎に対象業務・範囲を選定しています。
≪ITインフラ運用支援サービスの利用概要≫
区分 | 主な支援業務 |
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IT ロードマップ |
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管理業務 |
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IT 環境の 導入・管理 |
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運用 |
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「社外情報システム部門」として本サービスを活用、総合自己評価が50点から90点に
本サービスの利用を通じて、大きく以下のメリットを感じています。
(1)“ユーザ目線”でのITベンダー提案・金額の妥当性評価
ITベンダーとの打合せにMKIも参加し、提案の妥当性評価や見積精査の支援、甲南埠頭が判断できる内容・選択肢に
“翻訳”してもらっています。例えば、基幹システム導入では、要件定義や検討時の打ち合わせに於いて、専門家ならではの目線(BCPやセキュリテイ、バックアップなどの細かな指摘)による確認で抜け漏れ防止がなされたことや、また、不要な要件(機能)など抑制し、大きくコストダウンができました。現在では日々MKIの存在感を感じています。
(2)ヘルプデスクと監視による問合せ・トラブル対応の負担軽減
問合せ先をヘルプデスクに集約することで対応時間の短縮・効率化、本業に専念できるようになりました。また、サーバなどへの常時監視や甲南埠頭/
ITベンダーへのアラート通知でトラブル時の対応着手が早くなりました。
(3)重要な課題や新たな課題に対する積極的な解決施策の提案
親会社のITガイドライン対応は、MKIの支援により、親会社の監査結果が合格ラインに達し、グループ会社全体でも上位レベルとなりました。また、阪神・淡路大震災後の課題であったBCPの検討において、社内サーバをクラウドに移行することができました。
月例報告会には、甲南埠頭の社長や常務、本部長が参加しますが、MKIの積極的な発言で議論が進み、投資判断が早くなりました。昨
年は、コロナウイルス対応として社外業務環境を早期に実装できました。
全体的には、IT業務・環境の品質が上がり、不要なIT投資を抑制できました。導入前は、経理業務とIT業務の板挟み、ITはお金を生まないという雰囲気の中で、一番安価なものを調達していましたが、現在はより良い提案を採用しています。総合自己評価は、導入前を30点程度とすれば、現在は合格点の80点程度といったところです。外部からの信用も向上しており、引き続き「社外情報システム部門」としての支援を期待しています。
岩田氏は、同じような業務環境の方に以下のアドバイスをしたいといいます。
「1人で本業とシステム業務の板挟みで苦しんでいる方はおられませんか。セキュリティ強化対策導入で経営層の説明に悩んでおられる方はおられませんか。IT業務のトータル支援にお悩みの企業様は、是非ご説明/提案を受けられては如何でしょうか。きっと課題解決とIT業務の効率化が図れると思います。」
※本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性がございます。
甲南埠頭株式会社について

名称: 甲南埠頭株式会社
所在地: 兵庫県神戸市東灘区深江浜町42-3
事業内容: 倉庫業、埠頭業、及び付帯関連事業
ホームページ:http://www.konanfuto.co.jp/。