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未来を創る学生たちに講義をしてきた!

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目次

はじめに

 三井情報(MKI)を代表して、私たち社員6名が、千葉工業大学 情報変革科学部 認知情報科学科の1年生を対象に、キャリア形成やIT業界のリアルを伝える特別講義を実施しました。…とはいえ、私たちにとって大学で講義を行うのは今回が初めての経験。本当に務まったのでしょうか!?
 今回のMKIナレッジでは、講義を担当することになったきっかけから、準備中のちょっとした裏話、そして当日の講義の様子までをご紹介します。

講義のきっかけと大学の期待

 三井情報は、プロジェクトマネジメント学会に加盟しており、毎年研究発表大会などのイベントに参加して各社の取り組み事例や最新の理論から学びを得ています。そうした活動の中で、千葉工業大学の先生とのご縁が生まれ、今回大学で講義をさせていただく機会につながりました。
 このような機会をいただいたこと自体はとても光栄なことだったのですが、メンバー全員、大学で講義をした経験はありません。しかも1コマだけでなく複数コマの講義です。せっかくいただいた機会ですから、ぜひともお応えしたいものの、「本当に私たちに務まるのか…?」という不安を抱えながらのスタートでした。

 今回担当した講義は、学生たちが将来のキャリアを具体的にイメージし、自分自身の目標意識を高めながら学修に取り組むことを目的としたものです。そのため単に私たちの仕事内容や経験を紹介するだけでは、大学の期待に応えることができません。
 さらに、日本ではITエンジニア不足が深刻化しており、DX推進の大きな課題にもなっています。どうすれば未来を創る学生たちに、ITエンジニアの仕事に興味をもってもらえるのか、自分ごととしてキャリアを考えてもらえるのかが重要なポイントでした。

準備の裏側

 私たちが掲げた講義テーマは「なりたい自分づくり」。聞こえはシンプルですが、実際の準備は決して簡単なものではありませんでした。
 手を挙げた6人の社員が、それぞれの得意分野を持ち寄りながら「自分たちが学生の頃に知っておきたかったこと」という視点で、講義の骨組みを一から作っていきました。そんな中、担当教授から「入学後のオリエンテーションで初めて “ソフトウェア” という言葉を知る学生もいる」と聞き、私たちは頭を抱えました。プロジェクト、エンジニア、品質管理…。どれも私たちにとっては当たり前の言葉ですが、学生たちにとっては未知の世界。どうすればイメージしやすくなるのか?
 最初の打合せでは、こんな会話が飛び交いました。
「普段何気なくつかっている言葉をどうやって伝えたら分かってもらえるだろう…?」
「学生にとって身近なものに置き換えよう!たとえば、プロジェクトは “学園祭の準備” みたいなイメージで伝えられるかも…?」
「それなら失敗談は “アルバイトでのやらかし話” に寄せるのはどう?」
「ちょっと待って、大学1年生ってみんなアルバイトをしているかな…?」
こんなやり取りをしながら、90分×6回分の講義構成をゼロから設計することになりました。

 業務の合間を縫って資料を作り、何度もリハーサルを重ねました。あるメンバーは「学生に響く言葉」を探すために、TikTokや大学生ウケしそうなSNSをチェックしていたとか、いなかったとか…。
 さらに、ワークショップの内容も試行錯誤の連続でした。「部活も受験もデートも、全部プロジェクトだ!」という発想も、この準備段階で生まれたアイデアです。講義直前までブラッシュアップを続け、最終リハーサルでは「これ、学生にウケるかな…?」と不安と期待が入り混じりつつも、「せっかくの機会なんだから、学生に “面白かった” と言ってもらいたい!」という気持ちがチーム全員を動かしていました。

講義のテーマ

こうして出来上がったのが、つぎの6コマの講義です。

 •   第1回 これから20代を迎える学生に向けて(商社第一技術部:笠原)
  10代最後に思い描いていた理想の10年間と実際の10年間。
  「一介のサラリーマン」の等身大の半生を紹介し、「20代をどう過ごすか?」をリアルに想像する。
 •   第2回 自発的イニシアティブによる組織変革事例(技術推進本部:長宗)
  人生は自分が主人公のプロジェクトの積み重ね。主体的にキャリアをデザインし、
  プロジェクト経験を通じて成長し続けることの重要性を知る。
 •   第3回 チャレンジが生む成長循環(品質管理部:臼田)
  失敗は怖くない。本当の失敗は「挑戦しないこと」。失敗を学びに変えるステップを理解する。
 •   第4回 ITエンジニアのお仕事(商社第四技術部:大野)
  「プログラミング、向いていないかも…」と思っても大丈夫。
  ITエンジニアには様々な仕事や役割があることを知り、自分に合うポジションを探る。
 •   第5回 品質管理の本質を考える(品質管理部:井上)
  品質管理は「当たり前を作り込む仕組み」であること、
  さらには「安心・信頼・感動を生み出す仕組み」でもあることを知る。
 •   第6回 プロジェクトマネジメントの本質を考える(CX第三技術部:中本)
  プロジェクトは「人」が一番大切。仲間と協力しあいながら最大限の力を発揮し、
  目標に向かって挑戦することの重要性を知る。

それぞれの講義に込めた思いについては、各講師から別の機会にご紹介する予定です。

講義の様子と学生の反応

 いよいよ講義当日。教室に入ると、まだ1年生らしい初々しさが漂う空気に、私たちの緊張もピークに。
「ちゃんと伝わるかな…?」
「笑ってくれるかな…?」
 そんな不安を胸に、最初のスライドをめくりました。講義では、IT業界のリアルやキャリア形成の考え方を、できる限り “学生目線” で語りました。講師からの一方的な説明では集中力が途切れてしまうため、問いかけ、質問、ワークショップをふんだんに盛り込み、学生との対話を楽しみながら講義を進めます。
 講師や学生同士の対話やワークショップを重ねるごとに、学生たちの表情が少しずつ変わっていくのがわかります。そして学生たちが自ら手を挙げて発表してくれるごとに私たちの不安は吹き飛びました。
 そして何より、学生たちの高い吸収力と豊かな発想力と反応に私たち自身も大きな刺激を受けました。講義後のレポートには「部活やデートもプロジェクトだと気づいた」「失敗は宝物という言葉が心に残った」「キャリアを会社任せにせず、自ら選び動きたい」「人生設計と再設計の大切さを知った」といった声が数多く寄せられました。これらの反応は、登壇した私たち社員にとっても日々の業務の在り方や自身のキャリアをあらためて見つめ直す貴重な機会となっています。

私たち社員にとっての学び

 大学で講義を担当する機会はそう多くはありません。このような貴重な機会をいただき、私たち自身も多くの学びを得ることができました。
 私たちが日々の業務で身につけた知識やスキルは、暗黙知として蓄積されることが多いものです。こうして当たり前に使っている言葉や考え方も、学生に伝えるために噛み砕こうとすると「そもそも、なぜこうしているのか?」と自分自身に問い直すことになります。
 言語化して、体系的に整理して、分かりやすく伝える――。この作業には思いのほか時間を要しましたが、その分、自分自身の仕事の意味や本質を再確認する、良い内省の機会にもなりました。さらに学生たちとの対話を通して、若い世代の価値観や感覚に触れられたことも大きな刺激でした。
 自分たちの“当たり前”をアップデートする、そんな貴重な経験だったと感じています。

最後に一言

 学生と共に学び、私たち自身も成長する――。三井情報はこれからも、未来を創る人材の育成に挑戦し続けます。

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執筆者

井上・臼田
品質管理部 品質管理室
品質およびプロジェクトに関する教育・育成活動、品質向上施策に従事。

三井情報グループは、三井情報グループと社会が共に持続的に成⻑するために、優先的に取り組む重要課題をマテリアリティとして特定します。本取組は、4つのマテリアリティの中でも特に「ナレッジで豊かな明日(us&earth)をつくる」「多様な人材が活躍できる『場』をつくる」の実現に資する活動です。

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