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次世代の技術者の育成

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目次

はじめに

世の中で提供されているサービスの多くは様々なシステムに支えられており、それらはたくさんのソフトウェアやIT技術が組み合わさって成り立っています。幅広い分野にわたるビジネスを展開されるお客様と共に新しい価値を作り上げる三井情報には、ソフトウェア開発を含む最新のIT技術の習得とナレッジの蓄積が必要不可欠であり、それらを次世代へ伝えていくことを大切なミッションと考えています。こうした考えのもと、三井情報では若手育成のために以下のようなスキームやカリキュラムを用意しています。

  • ビジネススキルや技術・営業基礎を学べる約3ヶ月間の「新人社員研修」
  • 各部が主催し広く参加者を募り、トレンド技術や先端技術が学べる「社内セミナー」
  • 全社共通技術として、基礎的な技術から応用技術まで学べる開発技術部による「新人教育」(技術研修)
  • 基礎から専門までの教育課程を体系化し、カテゴリ・レベル別の講座が用意された「MKIアカデミー」

この中で今回は、私たち開発技術部による「新人教育(技術研修)」をご紹介します。

私たちITベンダーの置かれている状況と「新人教育(技術研修)」

三井情報は、経済産業省が「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」※1で提唱した「2025年の壁」に対し、DX人材の育成・確保が重要な対策の一つとなると捉えています。
レポートでは、今後ベンダー企業で以下のような人材が必要になると示されています。

  • 受託開発への過度な依存から脱却し、自社の技術を活かして、アプリケーション提供型のビジネスの成長戦略を描き、実現できる人材
  • 求められる要件の実現性を見極めた上で、新たな技術・手法を使った実装に落とし込める人材
  • ユーザ起点でデザイン思考を活用し、UX(ユーザエクスペリエンス)を設計し、要求としてまとめあげる人材
  • スピーディーに変化する最新のデジタル技術を詳しく理解し、業務内容にも精通するITエンジニア

三井情報で実施している「新人教育(技術研修)」では、上記のようなDX人材に求められる基礎技術として、標準フレームワークを利用した研修を実施しています。その中で特徴的な点は、一般的なプログラミング研修では扱わない、標準フレームワークの内部構造まで掘り下げたWebアプリケーション開発の研修を行っていることです。これにより『ゼロからモノ創り』ができる確りとした技術者の育成を目的とし、

  • 開発技術教育の実施
  • 仮想プロジェクトの参画
  • 実践プロジェクトへの参画によるOJT実施

を通し、「従来の開発に留まらず全体構成を担う将来のアーキテクト」の育成を実践しています。

※1 出典:「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~ 」(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html

「新人教育(技術研修)」を通して目指す姿

ここで「新人教育(技術研修)」を通して目指す姿を、技術・マインドの2つの視点から以下に記載します。

まず、技術視点では以下の習得を目指しています。

  • システムの動作概念を深く理解し、開発実践・活用できる力
    • コーディング規約や標準的なデバッグログの仕様等を理解し、品質・効率面を担保する知識を身に付ける
    • 単に部品の使い方を習得しているだけで無く、その裏側にある動作の概念や動作構成を理解し、不具合などの原因調査・特定を実施できる
    • 概要設計や要件定義を行う基礎技術を身に付ける
  • ステークホルダーとコミュニケーションを取りながら設計から実装へ落とし込む力

マインド視点としては、以下の醸成を目指しています。

  • 経験や知見の無い領域の課題に突き当たった場合、自ら調査し解決していく基本動作が自然とできる
  • 実装の方法は複数あることを理解し、単に動かすレベルでは無く、最適解を考える姿勢を身に着けている
  • 新たな技術の習得に旺盛な意欲を持っている

研修内容

こうした背景や、目差す姿に近づけるために実施している研修内容の一部をご紹介します。

  • Python
    • 教育基礎技術として、オブジェクト指向言語の機能を理解すること、データベースへのアクセス操作を行うプログラム作成を通して、プログラミングの楽しさを体験し、高度な技術へ取り組む足掛かりとしています。
  • Microsoft Visual Studio®(C#)の標準機能を活用した開発方法
    • Microsoft Visual Studioの標準的な 「ツール」 や 「フレームワーク」 を実践的に利用する観点で研修を行います。
  • Azure DevOps Servicesの利用
    • ソースの管理やリリース手順など、研修の中でAzure DevOps Servicesを活用することで、最新のクラウドサービスを利用していきます。
    • ソースファイルをリポジトリで管理し、共同での作業と高度なファイル管理により、品質の高いコードの管理手順を学びます。
    • 任意の言語、プラットフォーム、クラウドで動作するCI/CDを使用したビルド、テスト、デプロイ手順を学びます。

さいごに

今年度はコロナ禍により従来の集合研修がリモート主体となりました。そうした中でも、最新のクラウドサービスを最大限に利用し、効果的な研修に取り組んでいます。また、さまざまな受講者のレベルに合わせたクラス編成、受講者ごとに必要な研修を追加する柔軟なカリキュラムにより、全ての若手を丁寧に育成しています。
三井情報は、今後もお客様と共に新しい価値を作り上げることのできる人材の育成に向け、私たちのナレッジを、次世代へとつなげていきます。

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執筆者

桑野 和志
開発技術部 第二技術室 
次世代ソリューションの研究開発におけるプロトタイプ開発推進に従事。

執筆協力
開発技術部 第一技術室

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