はじめに

本コラムの執筆を担当する私たちが所属するMKI西日本技術部では、主にネットワーク・サーバ・音声等のインフラプラットフォーム技術を中心としたSEを多数配置し、西日本地域のお客様に各種サービスを提供しております。
特に安定性を重視した情報システム基盤を求められるお客様には私たちが長年培った「ナレッジ」を、先進技術の積極採用を求められるお客様にはSD-WANやクラウド・コンタクトセンター、ハイブリッド・クラウド・プラットフォームといった最新の「ナレッジ」を提供しております。
今回のコラムではMKI西日本技術部が提供する「ナレッジ」の例として、先進技術の一つであるMicrosoftのハイブリッド クラウド プラットフォーム「Azure Stack Hub」の取り組みについてご紹介します。
これまでの取り組み
情報システム基盤の進化は目覚ましく、日々進化し続けております。先進技術の採用はお客様に新しい価値を提供し、お客様のビジネスをいち早く加速させる可能性を秘めております。
しかしながら、現在では安定稼働を疑うことのない仮想化技術や無線LAN技術も当初は多くの課題を抱えていました。
例えばサーバ仮想化技術も、当初はアプリケーションベンダーが仮想環境での動作をサポートしない、あるいは仮想環境に移行した際に想定通りにサービスが動作しない等の問題がありました。現在では仮想環境での動作をサポートしないようなシステムはほとんどなくなってきており、安定稼働が当たり前になりました。
無線LAN技術も、以前は導入後に満足のいく通信速度が得られない、通信が安定しないといった事案が数多く聞かれました。現在では自動的に干渉を回避する機能や技術の発達により、一般的なオフィスはもちろん、スタジアムのような多くの人が集まる環境でも安定したサービスを提供できるようになりました。
私たちはこのようなかつての先進技術の取り扱い実績から、先進技術が市場に流通する、あるいは市場に提供する前から調査・研究し、それらの技術のもたらす新しい価値と共に、「リスクを適切にコントロールするナレッジ」の提供が不可欠であると考えております。
Microsoft Azure Stack Hubとは
今回ご紹介するハイブリッド クラウド プラットフォーム「Microsoft Azure Stack Hub」もその一つです。
「Microsoft Azure Stack Hub(以下 Azure Stack Hub)」は2018年に「Microsoft Azure Stack」としてリリースされました。※1
パブリッククラウドであるMicrosoft Azureが提供する機能をオンプレミス環境で利用可能にし、次世代型ハイブリッドクラウドを実現するプラットフォームです。
※1 現在「Microsoft Azure Stack」という名称は「Azure のサービスと機能をお好みの環境 (データセンター、エッジの場所、リモート オフィスなど) に拡張する製品ポートフォリオ」としてブランディングされた名称となっております。
Azure Stack Hubの提供体制
私たちはAzure Stack Hubの提供にあたり、以下のようなSEでプロジェクトチームを構成し、製品選定から導入まで一貫して支援させて頂いております。
- Microsoft社の開発チームと連携し、先行評価・フィードバックを担当するバックSE
- 実環境を複数保有し、調査・研究を行いナレッジの共通化を行うバックSE
- 各地域にてお客様に寄り添い、ご提案・導入を行うフロントSE
共同検証環境を設けることで、各SEが各々の評価結果やお客様からの声を随時フィードバック・共有し、より安全に先進技術が利用頂けるよう研究を続けております。
こうした取組みの成果の一つとして、上記SEとは別にAzure Stack Operation Centerと呼ばれる運用の一部を担うリモートサービスも提供しております。
私たちは先進技術の提供にはメーカーとの太いパイプ作りが不可欠であると考えております。Azure Stack HubのメーカーであるMicrosoft社とは、Microsoft本社の製品開発チームと連携し、過去にはWindows Server、Microsoft System Centerのリリース前製品の先行評価、フィードバック、各種ディスカッションを実施してきました。現在はAzure Stack Hubについても同様に先行評価、フィードバック、各種ディスカッションを実施しております。
Azure
Stackにおいてもリリース前から、Microsoft本社の製品開発チームと製品仕様に関する意見交換や評価結果・改善要望などをフィードバックしてきました。
このような取り組みもあり、MKIはAzure StackのGAリリース時に先行導入ユーザとしてグローバルで紹介されました。
おわりに
お客様が先進技術の採用検討を始めるためSEから話を聞こうとするとき、日ごろから付き合いのあるフロントSEには知見が無く、実際に紹介するのは東京や海外からやってきた付き合いのないSE、といったケースは少なくないかと思います。
しかしこのような体制では、お客様のことをよく知るフロントSEはその技術を熟知していないが為に先進技術が内包するリスクを適切に説明できない、一方、普段お客様と直接コミュニケーションをとっているわけではないバックSEではお客様のニーズに適切に応えられない、といった事態が発生し、いざ導入が始まってから大きな問題を引き起こすことになりかねません。
私たちMKI西日本技術部では、普段からお客様に顔が見えているフロントSEと、調査・研究を担当するバックSEがチームを組み、共同でAzure Stack Hubをご提案・ご提供することで、この次世代型ハイブリッド クラウド プラットフォームの素晴らしい価値と共に、内包するリスクを適切に説明することで、お客様に安心・安全に先進技術の価値を提供致します。
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吉田 友紀
西日本技術部 第二技術室(在 関西支社)
梶山 毅
西日本技術部 第三技術室(在 九州支店)
ともに、仮想化基盤を中心とした情報システム基盤の設計・構築業務に従事
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