はじめに
導入概要
ファイルサーバーの置換えとしての利用から脱却し、クリエイティブなBox利活用を推進!
商業デベロッパーとしてさまざまなビジネスを展開している株式会社パルコ(以下、パルコ)は、社内外の情報共有のためにコンテンツ管理プラットフォームのBoxを導入しました。数年を経たところで「Boxをコミュニケーションやコラボレーションにもっと活用したい」という思いを強くし、三井情報のカスタマーサクセス活動の支援を受けながら、Boxの活用を広げていきました。
情報システム推進部のお取り組み
どこでも働けるデジタルワークプレイスとしてクラウドサービスを積極的に導入

左から)株式会社パルコ 情報システム部推進部 松本氏、大河内氏
小売業と不動産業のハイブリッド型ビジネスモデルを構築し、ショッピングセンター PARCOの運営のほか、演劇、音楽、映画、出版など、魅力あふれるコンテンツをプロデュースすることで、幅広いビジネスを展開しているパルコ。
情報システム推進部 担当部長の松本 浩氏は「弊社では、2010 年代頃より『デジタルワークプレイスの構築』をテーマに掲げ、どこでも仕事ができる環境や、誰もが能力を発揮できる環境を作るため、グループウェアの利用、オンプレミスからクラウドサービスへのシフトに取り組んできました」と振り返ります。
部門毎にITコンダクターを任命し、勉強会を定期開催
それらのツールの利活用を推進するには、従業員の ITスキル向上も欠かせません。情報システム推進部 部長 大河内 聡子氏は「部門ごとに1 名のITコンダクターを配置しています。ITコンダクターは研修に参加したりIT 部門との窓口になるなどして、現場部門でのITシステムの利活用を支えてくれています」と説明します。
その活動の一環としてIT 部門で主催、実施しているのが、ITコンダクターを主な対象としたオンライン勉強会「IT 寺子屋」です。「IT 寺子屋で取り上げるテーマは、新しいクラウドサービスの案内からセキュリティーの最新情報、ITに関するちょっとした相談までと多岐にわたります。優れたITサービス、効率的な活用法、便利に使うテクニックなどがあれば、全社に展開しようと定期的に開催しています」(大河内氏)
そのほかにも、「気軽に問い合わせをしていただけるように、グループウェアのTeamsで問い合わせ用のグループを作り、従業員のちょっとした疑問に随時回答しています。それから、過去の質問にタグ付けをし、同様の質問は検索により自己解決してもらえるようにしています」と大河内氏が語るように、パルコの情報システム推進部では、デジタルワークプレイスの構築に向けて、クラウドサービスの導入とともに、従業員のITスキルの向上についても力を入れてきました。

Box導入の経緯・効果
ビジネスパートナーとのデータ共有に関わる諸問題をBoxで解決
パルコは様々な事業を展開しており、取引先も多岐にわたるため、社員は当然のこと、テナントの従業員や外部パートナーともデータを共有する必要があります。以前は、社内に対してはオンプレミス環境にファイルサーバーを設置し、社外に対してはメールなどを駆使してデータ共有を図ってきました。ところが、データ容量や拡張子などの違いにより、「受信側で受け取れない」「受け取ったデータが開けない」などのトラブルがたびたび起こっていました。
それを一変させたのが、三井情報の支援を受けて全社的に導入したコンテンツ管理プラットフォームである「Box」でした。その導入効果について大河内氏は「ファイルをBoxにアップロードするだけで共有できるようになりました。受け取る側もBoxにアクセスすればファイルを閲覧できるので、容量、拡張子、バージョン違いなどの問題も気にする必要がありません」と説明します。「グループウェアに加えてファイル 共有のクラウド化によって、オンプレミスではできなかったことが実現でき、仕事の幅が広がりました」(松本氏)オンライン会議でも、参加者が Box上の資料を画面で共有しながら議論を進める形が定着しました。さらに、社外とのコラボレーションや事務所の外からの資料閲覧、スマートフォンで撮影した写真の即時共有といった使い方もできるようになったと大河内氏は説明します。
Box導入後の課題・解決策・効果
さらなる活用に向けて開催した従業員向けの勉強会に、三井情報がゲスト参加しBoxのクリエイティブな活用を紹介
株式会社パルコ 情報システム推進部 越三氏
しかしながら、ファイルサーバーの置き換えとしての利用にとどまっている従業員もまだ多くいたため、いかに色々な機能を使いこなし、クリエイティブにBoxを活用してもらうかが課題となっていました。そこで相談した先が、Box導入完了後もカスタマーサクセス活動を通してつながりのあった三井情報でした。
三井情報では、Boxのユーザー企業向けの継続的な支援(カスタマーサクセス)活動としてNewsletter 発信やセミナー開催、個別の企業向けの定例会等を実施しています。月1 回発信するNewsletter では、三井情報オリジナルのコンテンツを掲載しており、定例会では、お客様の課題解決につながる機能の紹介や、ユースケースの提示など、ユーザー企業一社一社に合わせた支援活動をおこなっています。
「IT寺子屋で、三井情報が発信しているNewsletterをはじめとしたオリジナルコンテンツを利用させてもらえないか」と情報システム推進部の越三 真理子氏が相談したことがきっかけとなり、実現したのが「IT寺子屋 Box編」でした。そして越三氏がファシリテーター、三井情報の Boxカスタマーサクセスマネージャーの藤倉直人がパネリストとして対談する形式で IT寺子屋 Box編が開催され、当日は普段の IT 寺子屋の約 2 倍となる200 名近くの従業員が参加したといいます。
Webブラウザからの利用が増加し、Boxならではの機能の利活用が進む
こちらを開催した狙いの一つに「ファイルサーバーの置き換えという意識からの脱却」がありました。Boxには Webブラウザで操作するWebアプリ以外に、従来のファイルサーバーと同じようにエクスプローラーからBoxを利用できる「Box Drive」も用意されています。
「ファイルサーバーの置き換えとして導入したため、慣れ親しんだ UI で使えるBox Drive の利用者が多かったのですが、Boxをフル活用して業務効率を上げていくためには、Boxのコンテンツプラットフォームならではの機能を最大限使える、Webブラウザからの利用を促進していくことが重要でした。そのことを三井情報さんは身近な例を挙げて、パルコの従業員に納得しやすい形で提案してくれたのです」(越三氏)
開催後は Webブラウザからの利用が増え、社外のゲストユーザーも約 3,000 名に達するなど社外とのコラボレーションが進みました。また、現場ユーザーからの Box に関する問い合わせの質にも変化が感じられ、越三氏は「Box の利用が活性化してきた」と感じるといいます。
三井情報のカスタマーサクセス活動について
Boxに限定せず、働き方の改革、DXを踏まえた幅広いカスタマーサクセス活動を評価
IT 寺子屋への参加は三井情報にとってもメリットがあったと藤倉は語ります。「パルコ様の『Boxをクリエイティブに使っていきたい』という熱意は、三井情報のカスタマーサクセスの目指すところとマッチしていました。私としても、IT 寺子屋はユーザーの生の声を聞ける大きなチャンスだと考え、ゲストとしての登壇を引き受けました。ここで頂いた生の声は、パルコ様に対するカスタマーサクセス活動だけでなく、エンドユーザーの声を反映したオリジナルコンテンツとして、多くのお客様のお役に立てると考えています」(藤倉)
Newsletter や定例会のような三井情報のカスタマーサクセス活動について大河内氏は「非常にリッチな支援だと感じています。パルコの利用状況をデータ化し、それをもとに仮説を作って助言してくれるだけでなく、解決に向けた新機能やテクニック、充実したマニュアルなど、三井情報さん作成のオリジナルコンテンツが豊富に用意され、相談の中で随時提供してくれます。マニュアルやテンプレートも豊富で、アレンジするだけですぐに流用できます」と高く評価しています。
そのうえで、三井情報の姿勢についても「Boxという一つのツールに限定せず、社員の働き方全体を踏まえてサポートしてくれます。DX の本質を一緒に議論して、ゴールに向かって一緒に考えてくれる。いろいろな事例をもとに、働き方の改革についてユーザー視点でわかりやすく伝えるための道具をたくさん持っている点で、頼りになると感じています」と期待を述べました。
左から)三井情報 藤倉、株式会社パルコ 情報システム推進部 越三氏、大河内氏、松本氏
導入サービス
パルコ様について

名称: 株式会社パルコ
所在地: 東京都渋谷区神泉町8番16号 渋谷ファーストプレイス
事業内容: 商業デベロッパーとして小売業と不動産業のハイブリッド型ビジネスモデルを構築し、多様なビジネスを展開。
PARCOの運営のほか、演劇、音楽、映画、出版など様々なコンテンツをプロデュースし、
企業ブランドの向上に貢献している。
ホームページ:https://parco.jp/