お客様の「不満ゼロ」への挑戦!を支えるフレキシブルなクラウドコンタクトセンター

ネット証券の競争が手数料や商品ラインナップだけでは差別化しにくくなる中、最終的にお客様が証券会社を選ぶ決め手は「困った時に確実にコンタクトセンターにつながり、解決まで伴走してくれるか」であると言えます。SBI証券様は、店舗を構えないビジネスモデルだからこそ、お客様の声が集まるコンタクトセンターを「単なる問い合わせ窓口」ではなく、お客様の体験価値を向上させるフロント部門と位置づけています。同社のカスタマーサクセス推進部は全国6拠点のコンタクトセンターの運営管理を主業務とし、「不満ゼロへの挑戦!」をスローガンに、お客様の自己解決の促進と、人が寄り添う支援の両立を進めてきました。こうした方針を支える基盤として、AIを活用したオールインワンのクラウド型コンタクトセンター・プラットフォーム「Genesys Cloud CX」に加え、音声認識エンジン「AmiVoice」を活用した取り組みが加速しています。

株式会社SBI証券様1

目的

システムのオンプレミス依存を脱し、現場主導で内製変更できる基盤を整備したい。また、通話履歴の手入力事務を削減し、平均後処理時間(ACW)を短縮して生産性を向上させたい。

ソリューション

状況に応じた設定変更を短期間で反映できるクラウド型基盤を構築。また、高い日本語認識率でリアルタイムに文字起こしを行い、評価・管理に活用。

効果

リアルタイムにさまざまな設定が変更でき、人材を余さず配置できるようになった。ACWが約2分短縮されることで、採用換算で約35人分の効率化を実現した。

コンタクトセンターを「体験価値の起点」に

SBI証券様のコンタクトセンターはお客様と直接コンタクトすることによって、さまざまな要望や意見がカスタマーサクセス推進部を通して経営側へ伝達され、プロダクトや導線の改善などにつながっていくという重要な役割を担っています。カスタマーサクセス推進部長の河田裕司氏は、「弊社のコンタクトセンターは、単にお客様からの質問に回答するだけでなく、体験価値を向上させる役割も持っています」と説明します。

現在、同社のコンタクトセンターは自社運営が3センター、外部委託が3センターの計6拠点体制ですが、サービスの多様化に伴い、拠点ごとに問い合わせ領域を分担しています。カスタマーサクセス推進部のミッションは、それらの拠点に対して、お客様の増加に伴う呼量の変動や制度の変更などを考慮しながら、センター全体を止めずに改善を回すことです。そして、「インターネット上ですべてが完結していれば、問い合わせはゼロになる」を理想とし、お客様が自己解決できる導線の改善に注力しています。

人が向き合うべき複雑な問い合わせにリソースを充てる

近年、お客様数が年12〜13%のペースで増え続けている中、問い合わせも増加しています。直近では、新NISAや、セキュリティ関連の問い合わせが呼量を押し上げています。こうした状況に人員増で対応するには、コストの制約が大きいことから、AIやWebを活用して「一問一答で終わる」問い合わせを減らそうとしています。その分を、人が向き合うべき複雑な問い合わせにリソースを充てることが重要であると考えます。

そうした対応ができるオペレーターを育成するためにも、河田氏は「一般的なコンタクトセンターで使われている、お客様対応のトークスクリプトを一切用意していません」と説明します。「お客様の理解度や状況は一人ひとり異なるため、会話から文脈を読み取り、自由発話で進めることが不可欠です」と語り、「センター運営そのものが人間形成である」という考えのもと、半年後、1年後に自分の言葉でお客様からの問い合わせに向き合える人材の育成を重視しています。

クラウドと音声認識で運営の効率化と品質の見える化を両立

つながらない不満をコールバック機能で解消

SBI証券様がGenesys Cloud CXに求めたのは、相場変動や制度改正などの外部要因によって呼量が急変しやすい環境の中で、限られた人員を最適配置し、状況に応じて設定を素早く変えられる俊敏性でした。従来のオンプレミスによるシステムでは、たとえばパスワード関連の問い合わせが急増した際に受電導線を組み替えたり、新NISAに関する問い合わせを優先するためにルーティングを変えたりするにも、1〜2カ月の時間を要していました。河田氏は、「Genesys Cloud CXの導入によって、繁閑に合わせてリアルタイムで設定変更ができるようになったことが非常に重要で、人材を余すことなく活用できるようになりました」と、その効果を評価します。さらに、オンプレミスのシステムでは設定変更に高額な費用が発生していたのに対し、Genesys Cloud CXの導入によってそのコストも大きく削減でき、経営の運営判断に関するスピードも上がりました。新センターの立ち上げ費用もオンプレミスに比較して半分以下となるため、今後の拠点戦略も柔軟性を持って進められるということです。

また、河田氏は「実際の運営の中で、特に重視している機能がコールバックサービスです」と語ります。Genesys Cloud CXでは電話をかけてきたお客様がコールバックを選択すると、順番が来たタイミングで自動的に折り返しの電話がコンタクトセンターからかかってきます。このコールバックサービスにより、お客様はご自身の状況や背景に応じて、より適したサービスを選択できるようになりました。

「この仕組みによるお客様の満足度は非常に高く、弊社にとっても総入電数が約3分の1まで減ったことで、通話料負担が下がりました」(河田氏)

さらに、SBI証券様ではGenesys Cloud CXに三井情報が独自に開発した中間アプリケーションを組み合わせることで、コールバック対応と通常のインバウンド対応を同一の要員で運用できる形に最適化しています。こうして呼量の波をならしつつ、要員配置を最適化することで、繁忙期でも品質が落ちない対応を実現しています。

AIによるACWの短縮と自動スコアリング機能で生産性と品質を向上

SBI証券様は、お客様数の増加にオペレーター供給が追いつかない中、平均後処理時間(ACW)の短縮を目的にAmiVoiceを導入しました。従来は手入力していた通話履歴を、音声認識でリアルタイムにテキスト化し、さらにAIを用いて約400字に要約することで、ACWの圧縮を図りました。その結果、ACWが約2分短縮され、「導入当時の約200人規模の体制においては、新たに35人のオペレーターを採用したのと同様の効果が得られました」と河田氏は振り返ります。

さらに河田氏は、同社の最重要KPIがお客様から「ありがとう」と言われた回数などを指標化して数字にした「ありがとう率」であると語ります。SBI証券様では「ありがとう率」を上げるため、AIによる感情解析を行った上で定性的な評価も加える自動スコアリング機能を導入しています。「日本人の特性としては、お客様がオペレーターの応対に満足してなくても、最後は『分かりました。ありがとうございます』と言ってしまいます。したがって、真の満足度を測るために、電話の応対の中でお客様の感情がどのように揺れているかを統合した新しい指標を作りたいと思っています」(河田氏)

運用を理解した上で支えてくれるパートナーへの期待

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SBI証券様が考えるこれからのコンタクトセンターについて、河田氏は「お客様の満足度を最大化していくための顧客接点の作り方や、仕組みづくりが求められると考えています」と語ります。「一方で、AIや自動化が進んでいくと、私たちがお客様と直接向き合う接点は減っていきます。その中で、お客様のニーズに踏み込んでいけるサポートが求められるでしょう」(河田氏)

こうした状況の中で、三井情報に期待するのは「私たちはAIやデジタルについて、まだ知識が追いついていないと感じています。したがって、単なる要望対応にとどまらず、もっと踏み込んだ助言やSBI証券向けのロードマップの提示、議論の場づくりを積極的にリードしてほしいと思っています」と河田氏は語ります。まさに、コンタクトセンターが「答える場所」から「価値をつくる接点」へと変わっていく局面において、SBI証券様の運用を知るパートナーとしての三井情報と価値を共創していくことが、次の競争力になると言えます。

株式会社SBI証券様について

社名:株式会社SBI証券
所在地:埼玉県熊谷市
事業内容:インターネットを中心とした個人投資家向け証券取引サービスに加え、有価証券の発行体向けの投資銀行業務、海外拠点を含む機関投資家向け各種ビジネス、富裕層などに向けた資産運用コンサルティングサービスを提供