現場目線の旗振り役の活躍でBox の利活用を推進! 建築業界に適したBox 活用で施工現場のDXを実現

1930 年の創立以来、空調に関わる革新的な取り組みを続けてきた新日本空調株式会社(以下、新日本空調)。現場で増え続けるデータの管理・活用のため、 2014 年に容量無制限の「Box」を導入しました。当初は各現場で独自に活用が進んでいましたが、三井情報の支援を受け
Boxの「旗振り役」が活躍し、現在は全社的にノウハウを集約・展開することで、Boxの活用は発展を続けています。

働き方や業務効率化、データ活用の面から施工現場を支援


テキストと画像の配置

1930年に前身である東芝キヤリア工業として創立して以来、建物の空気調和、冷暖房、換気、給排水、衛生設備などの設計や工事を展開してきた新日本空調。快適な空気を生み出すことで人々の健康を支える「保健空調」だけでなく、工場やデータセンターなど物にとって最適な環境を構築する「産業空調」を通じて、空調に関するさまざまな改革に挑戦してきました。

同社の事業推進本部 安全品質センターでは、施工現場に対して働き方改革、課題解決、業務効率化、データ活用や管理の最適化、さらには工事業務に使うITツールやサービスの提案といったアプローチを行っています。

その取り組みの重要性について、事業推進本部 安全品質センター 部長の山口弘明氏は「施工現場では工事にまつわる資料や図面、記録など、大量のデータが日々蓄積されています。その中で安全品質センターは施工現場の効率化を図るだけでなく、データの管理・活用の支援活動にも取り組んでいます」と説明します。

新日本空調株式会社 事業推進本部 安全センター 課長 山口 孔明 氏

多くの協力企業が関与するプロジェクト。煩雑なアクセス権もBoxで管理


テキストと画像の配置

新日本空調では、施工するプロジェクトごとにデータを管理していました。そのため、新たなプロジェクトが立ち上がるたびに大量データが発生するのですが、以前はオンプレミスのファイルサーバーを利用していたため、容量を随時増やしていく必要がありました。またそれらのデータは設備の管理や保守にも用いるため、設備が完成した後も長く保持し続ける必要がありました。

山口氏は「工事の規模にもよりますが、使われるデータは設計図や施工図、議事録、現場での写真など多岐にわたり、1プロジェクトごとに数万ファイルにも上ります。そして新しいプロジェクトが始まるたびにデータは増え続けます。そこで2014 年に三井情報さんからの提案を受け、容量無制限という強みを持つクラウドストレージのBox に魅力を感じ、全社導入しました」とBoxを使い始めた経緯を語ります。

新日本空調のような建築業にBox が有用であるポイントとして、事業推進本部 安全品質センター 課長の白永健太郎氏は「複雑なアクセス権限を設定できる」ことを挙げます。建設業特有の事情として、数多くの協力企業と組んで工事を進めること、また中には一定期間だけプロジェクトへ関与する協力企業もあります。そういったケースで、Box は「この会社にはこのデータを見せる、この会社にはここまでの期間だけアクセスを許可する」など、アクセス制御に長けています。

新日本空調株式会社 事業推進本部 安全センター 課長 白永 健太郎 氏

現場ごとに独自活用していたBox。旗振り役がユースケースを作成し全社的な活用へ


建設業では、拠点・プロジェクトごとに独立性が高く、導入当時はBox の利用をそれぞれの現場に任せていました。そのため、当初はBox の便利な使い方を見つけて積極的に活用している現場と、そうではない現場があったといいます。ある現場では、タブレットからインターネット にアクセスし、Box に保存した図面や資料をすべて現場で見ることができるようになりました。その一方、別の現場では、紙の図面を大量に持ち運んでおり、時には必要な図面を事務所に忘れて取りに戻ることもあったそうです。

当時の状況について白永氏は、「Box の良さを理解している『現場のインフルエンサー』が率先して使ってみせることで、活用が広がっていきました。しかし全ての現場にBox に詳しい人がいるわけではありません。全社に働きかけられるような『旗振り役』が存在すれば、さらなるDXにつながっていくのではないかと感じていました」と語ります。そして全国の拠点を回る業務を担当していた白永氏自らがその役割を果たすことになります。

より多くの現場でBox を有効活用するために三井情報に相談し、いろいろな企業でのBoxの活用法を紹介してもらいながら、新日本空調の使い方に合わせたユースケースを作成していきました。具体的には、まず白永氏が社内業務の各プロセスにおける課題を三井情報に共有し、それを受けて三井情報がBoxを活用するシナリオ形式に整理し、さらに白永氏が現場に受け入れられやすい形にアレンジするというやり方で作成していきました。一例として、図面や施工図の校正プロセスにおいて発生する連絡の反復の手間や、ファイルのラリーによって情報が各所に散らばってしまうなどの課題を、Box の「コメント・タスク機能」を使って解決するといったユースケースが作られました。出来上がったユースケースは「技術部長が毎月集まる会議で紹介したり、社内グループウエアなどで展開を図り、全国へと広げていきました」と白永氏は説明します。

そのときの様子を三井情報のBoxカスタマーサクセスマネージャーの藤倉は「各業務プロセスにおいて、Boxのどの機能(材料)が役に立つかをまとめたいわば『レシピ本』が必要だと考えていました。業務· 課題を眺めながら『業務プロセスの中のこの部分にはBox のこの機能が使える』という『レシピ』を白永様とともに作り上げていく感覚でした」と語ります。

また業務で全国の現場を回っていた白永氏は、視察の際には自らBox を使ってみせるだけでなく、現場のユーザーが便利な使い方に気付いたら他の現場にも伝えていくなど、Box の活用をボトムアップで広げていく支援を積極的に行いました。「全国を回ってBox の便利さを私自身の体験として伝えられた点、足を運んで現場の効果的な活用法を拾えた点が大きかったと感じています。いくら便利な道具があっても、何に役立つかを理解してもらえなければ使ってもらえません」(白永氏)

社外ユーザー数が年間1.4倍増加。協力会社のコラボレーションも発展


『旗振り』の効果が表れた現在では、ほとんどのプロジェクトでBox が活用されるようになり、業務の各シーンがBoxで効率化されてきています。協力会社とのコラボレーションも年々増え続け、直近の1年だけでも新日本空調が自社の Box 環境に協力会社の方を招待する「社外ユーザー数」は約1.4 倍に増加しています。その理由について白永氏は「Box の使いやすいUI」と「複雑なアクセス権でも設定しやすい安心感」の二点を挙げました。

「協力会社とのコラボレーションには、どこまでアクセスを許可するかの設定がカギになります。Boxは細かくアクセス権を設定できるので、外部ユーザーも『必要なものだけ共有され、許可されないものにはアクセスできない』と理解し、安心して利用できるようです」(白永氏)

すでにBox は「なくてはならないツール」に


Boxを使いはじめて10 年以上になりますが、過去には社内から「他のクラウドサービスに付属するストレージ」を使えばコスト削減になるのではないかという意見が挙がったこともありました。しかし山口氏は「いろいろな工夫をしながら活用しているBox は、現場のユーザーからも高い評価を得ています。またさまざまな外部ツールとの連携で利便性も高まってきました。他のツールと比較してみて、やはりBox は現場の業務になくてはならないツールと再認識しました」とBoxへの評価を口にします。

長年にわたる三井情報との関係性についても山口氏は、「三井情報さんは当社の課題、現場の業務なども理解した上で、業務の改善に向けた取り組みに寄り添ってくれました。カスタマーサクセスを重視する姿勢は非常にありがたく、今後も協力して現場の改善に寄与していきたいと考えています」と述べます。

藤倉も「山口様も白永様も、安全品質という立脚点から業務課題に詳しく、非常に深い人間理解と洞察力を意見交換の中で感じました。お二人と共にプロジェクトを進めたことで、社内への浸透・利活用推進の基本は現場で課題を見つけ、それを解決するための道具、機能を選択していくことが重要だと改めて気付かされました」と振り返りました。

これからの展望として白永氏は「ストレージとしてのBox はほぼ浸透していますが、もっと便利な機能、現場が楽になる活用がまだあるはずですので、三井情報さんに相談しながらBox の利用をさらに発展させていければと考えています」と語りました。

導入事例パンフレット

リンク付き画像の配置 導入事例パンフレット

導入サービス

法人向けファイル共有基盤:Box

新日本空調株式会社様について

名称:新日本空調株式会社
所在地:東京都中央区日本橋浜町2-31-1浜町センタ-ビル
事業内容:空気調和、冷暖房、換気などの空調だけでなく、給排水や衛生設備の設計、管理、工事請負などの建築業務を幅広く展開。商業施設やホテル、工場から原子力施設まで、さまざまな現場の人や物に対して最適な空気環境を提供している。
ホームページ:https://www.snk.co.jp/