目次

導入概要

コンタクトセンターの物理的限界をGenesys Cloud CX導入で突破
組織拡大に備えたスケーラビリティの確保とサービスレベルの向上を同時に実現

三井情報グループでは、2018年に「ITグランドデザイン」を、2021年に「デジタルグランドデザイン」を策定し、社内DXを推進しています。IT人材、労働力不足の対応はもとより、その先にある「従業員の働きがいの向上」を見据え、「クラウド・バイ・デフォルト」「クラウドファースト」を前提とした社内システムの整備に取り組んできました。そのような中、三井情報のグループ会社であるMKIテクノロジーズでは、自社が展開するコンタクトセンターの業務基盤をリプレース。三井情報がシステム構築を担当し、2020年4月から運用がスタートしたこのプロジェクトも、その方針を踏まえたものでした。

お客さまの課題・目的

契約件数の増加に伴い、コンタクトセンターのキャパシティが限界に

三井情報が構築したお客様のシステムの保守運用を手がけるMKIテクノロジーズ。業務の1つに、月間10,000件の障害連絡に対応するコンタクトセンターの運営があります。同社は2020年4月にコンタクトセンター基盤システムをリプレースしました。既存のオンプレミスシステムがサポート期間終了を迎えたことを機に、コンタクトセンター基盤のクラウド化に取り組むことに。コンタクトセンターの責任者である同社テクニカルアシスタンスセンター統括部長の末永泰久氏は、コンタクトセンター基盤のクラウド化に踏み切った理由について、次のように語ります。

「当社のコンタクトセンターは、30名のオペレーターが従事する本社(東京都・東中野)と、50名のオペレーターが所属する宮崎サイトの2拠点で運営しています。クラウド化する前は、いずれの拠点もフルキャパシティという状況で、契約数と共に問い合わせ数が増加しても、オペレーターの増員が困難な状況でした。そこで、オペレーターが在宅で業務を行えるように、コンタクトセンター基盤のクラウド化を検討したのです。もう1つの狙いは、手間のかかるシステムメンテナンスからの解放です。業務の在宅化と保守管理業務の軽減を視野に入れれば、コンタクトセンター基盤のクラウド化は自然な流れでした。」

ソリューション・解決方法

新規ソリューションの候補は10個以上ありましたが、検討の結果、「Genesys Cloud CX」を導入することに。

「選定にあたって重視したのは、オンプレミスのシステムと遜色(そんしょく)ない音声品質を担保できることと、サービスを止めずにシステム移行が可能なことでした。当社のお客様の中には、専用の電話番号でお問い合わせを受ける企業様が数多くいらっしゃいます。

これを実現するためにコンタクトセンター基盤とCRMシステムを連携させていますが、この機能をダウンさせずにシステムを切り替えるという条件は、ほとんどの候補ソリューションで満たすことができませんでした。しかし、24時間365日対応のコンタクトセンターのシステム切り替え経験が豊富な三井情報が、Genesys Cloud CXで実現するスキームを丁寧に提案してくれたことで、比較的簡単にできることがわかり導入を決めました。」(末永氏)

効果と今後の展開

Genesys Cloud CXの導入が、なぜサービスレベルの向上につながったのか?

Genesys Cloud CXを導入したことで、在宅でのコンタクトセンター業務を実現した同社。運用を開始したのは、ちょうど新型コロナウイルス感染症が拡大しはじめた時期でした。Genesys Cloud CXがコロナ禍という未曽有の事態を乗り切ることに役立ったのはいうまでもありません。

なお、在宅勤務をスタートさせた当初は、オペレーターに目が届かなくなることで様々な不安があったものの、いずれも杞憂に終わりました。なぜなら、Genesys Cloud CXのダッシュボード機能でリモートでもオペレーターやコールの状況が可視化できるからです。例えば、あるオペレーターが長時間の障害対応を行っていることを把握して、管理者が別のオペレーターにフォローの指示を出すということもリアルタイムに可能になるのです。

更に、三井情報が開発したAgentMapでオペレーターのコール受付状況を可視化した事で、結果として応答率が約5~10%向上し、「平均すると障害解決までの時間も確実に短くなっていますので、サービスレベルは間違いなく上がっていると思います。」(末永氏)

新システム導入や自動化ツールの活用による業務効率化はもちろん、業務に対するオペレーターのストレスが減って業務に対するモチベーションが上がったことも、サービスレベル向上に寄与しているようだとのことです。

拠点ごとのGenesys Cloud CXの利用イメージ

クラウドのメリットを享受するために注意しておくべきポイントとは?

MKIテクノロジーズ株式会社
テクニカルアシスタンスセンター
統括部長
末永 泰久氏

管理運用面では、スケーラビリティを確保できたこと、システムメンテナンスが不要になったこと、Genesys Cloud CXのレポーティング機能の活用によりお客様に提出する資料や社内資料の作成が楽になったことなど、様々なメリットを感じているといいます。これまで述べてきたように、数多くのメリットを享受できるクラウドシステムですが、導入の際には入念な準備が求められると末永氏は指摘します。「クラウドシステムは、オンプレミスと異なり、障害が発生したら自分たちではどうすることもできません。今回のプロジェクトでは、万一Genesys Cloud CXに障害が発生してもサービスを止めないように、代替手段を用意しています。」

導入実現にあたっては、三井情報の知見や経験を生かすことができたと末永氏は強調しました。「今回のプロジェクトのシステム構築はグループ会社である三井情報に依頼しましたが、豊富なコンタクトセンターシステムの導入実績で培った知見を生かして、適切にフォローしてくれた印象が強いですね。障害発生時の代替手段についても、ソフトフォンだけでなくビジネスフォンでも着信を受けられるようにするなど、現実的かつ合理的な解決策を講じてくれました。企業ごとのニーズや課題に対する柔軟な対応力があることは、システムを導入するお客様にとっても大きな魅力だと思います。」(末永氏)

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クラウド型オールインワンコンタクトセンターソリューション

MKIテクノロジーズ株式会社について

社名: MKIテクノロジーズ株式会社
所在地: 〒164-0003 東京都中野区東中野2-7-14
事業内容: 企業システムの保守・運用サービスおよび受託開発、並びに情報通信ネットワーク設備の設計・施工・保守など
ホームページ:https://www.mkitec.co.jp/