目次

はじめに

導入概要

オンプレミスにある200TB以上のデータをクラウドへ 社内外のコラボレーションを促進する基盤をBoxで実現!

総合不動産管理のリーディングカンパーにとして、60万戸以上のマンションや、1,000件以上のビル・施設・公共施設などの管理やリフォームを手掛ける株式会社東急コミュニティー。

管理・運用が大きな負荷となっていた約170台に及ぶオンプレミスのファイルサーバのリプレースと、働き方改革の促進を目的として、Box導入を決定。導入パートナーとしてMKIを選定し、200TB以上のデータの移行をスムーズに進めることに成功しました。

お客さまの課題・目的

ストレージの課題解決と働き方改革を同時に実現するためにはストレージのクラウド化が必須

東急コミュニティーでは、全国30拠点で約170台に上るファイルサーバを設置、管理物件の情報や、工事図面、施工の写真などを保存。その総容量は200TBに上っていました。

同社でITインフラの企画・導入・運営を行っているIT推進部ITインフラ企画課の柏崎正彦氏は「ファイルサーバの導入時期がまちまちということもあり、毎月のように数台リプレースを行うという状況で、管理・運用にとても負荷がかかっていました」と語ります。

また、工事を行う外部業者とのデータのやり取りがメール添付で行うしかなく、図面や写真のような大きなデータのやり取りができないといった課題や、管理物件増に伴うデータの増加も課題として持ち上がっていました。その一方で、働き方改革の流れの中、同社ではリモートワーク環境を整備するため、モバイルPCなどの導入を推進してきました。

「リモートワーク環境でセキュリティを確保しつつファイル共有を考えると、オンプレミスのファイルサーバという選択肢はなく、その他の課題も合わせて解決するには、クラウドストレージへの移行しかないという結論に達しました」(柏崎氏)

ソリューション・解決方法

システム連携など単なるクラウドストレージの枠に留まらないことからBoxを選択

そこでIT推進部ではクラウドストレージの選定に入ります。主だったサービスを比較検討し、その中でBoxを選択しました。その理由として柏崎氏は「すべてのファイルを1か所に集め、その周りのセキュリティを強固にするという設計思想と、APIを使ってさまざまなシステムと連携できる点」を挙げています。

「単にファイルを置いて終わりではなく、どうやって働き方改革に繋げられるかと考えたときに、Boxが一番やりやすかった」とコンテンツ管理基盤としてのBoxを評価しています。

7,000ユーザ、200TBのデータの移行を実現するため、MKIをパートナーとして選択

Box導入を決定した後、導入パートナーとして選んだのが三井情報(以後、MKI)でした。

「7,000ユーザという大規模なBox導入を考えたときに、ライセンス費用の枠内でエンドユーザサポートが受けられるMKIはとても魅力に感じました。また、『導入支援サービス』や、『MKI Box管理者支援ツール』(MKIの自社開発ツール)などの存在も選択の大きな理由でした」と柏崎氏は語ります。

「Box導入当初の懸念点として、Boxはファイルサーバとは仕組みが異なるため、Boxのテクノロジーを理解した上で5年、10年後と長期にわたって利用できる設計を考える必要がありました。その点については、MKIの『導入支援サービス』を利用することで、Boxのテクニカル面の課題を全て解決することができ、長期にわたる運用に耐えられる設計が出来たと考えています。加えて、社員数や異動が多い中で、アカウントの管理をスムーズに進める必要がある、こういった日本独自の文化をどのように吸収するかも大きな懸念点でした。この点ついては『MKI Box管理者支援ツール』を活用して、運用の自動化を実現することによって解決することができました。」(柏崎氏)

効果と今後の展開

2年がかりでファイルサーバ廃止を実現。コロナ禍によるテレワークでも大きな力を発揮

ファイルサーバーからのデータ移行に関しては、各ファイルサーバの更新タイミングに合わせて順次進めていったため、導入開始から約2年半経った2021年春に完了、社内のファイルサーバ全廃を実現しました。

全社への展開を推進した宮下比那子氏は「当初はよく理解されていなかったこともあり、導入に難色を示されることが多かったのですが、徐々にユーザが増え、業務に活用されていくにつれて、Boxの便利さが理解され、導入の後半には逆に導入を急かされることが多くなりました」と語ります。

「特にリフォーム事業では、社外との図面や写真といった大容量のデータのやり取りが多いため、相手がアカウントを持っていなくても使えるBoxでのファイル共有はそれまでと比べて格段に利便性が増し、どんどん活用されていくようになりました。導入展開中には新型コロナウイルスにより全社的にテレワーク対応を余儀なくされましたが、Boxが導入されていたおかげで特に支障なくテレワークを推進することができました。実際、社外の取引先ともWebミーティングが増えましたが、情報の共有にBoxを使い、会議中に決まったことなどをその場でBox上のファイルやBox Noteに反映させていくことで、会議終了時にはその場で情報が共有できるようになり、かえって効率的に打ち合わせを行うことができるようになりました。特に地方の取引先には好評です。さらに新しい使い方としては、まだアカウントを持たない入社前の新入社員研修における課題のやり取りにも活用しています」(宮下氏)

API連携で業務負荷を軽減

同社ではAPI連携も積極的に活用しています。

柏崎氏は「現在2つのAPI連携を使ったサービスが稼働しています。一つは管理に係る重要事項調査報告書の作成依頼の自動化です。物件の管理報告書をご希望されるお客様がWebのフォームからお申し込みいただくと、Boxと連携して管理報告書を自動生成し、ダウンロード先をメールにてお知らせするという仕組みです。このサービスにより、管理報告書を作成して印刷し、郵送するという業務を自動化できました。もう一つは会議議事録の音声文字起こしの自動化です。MKIのコミュニケーションプラットフォーム『MEDACA』の議事メモ作成支援機能とBoxを組み合わせ、取引先とのWebミーティングやコールセンターの音声ログをテキストデータに変換するというものです。 特にコールセンターのログはエビデンスとして重要ですが、文字起こしは非常に手間がかかるもので、担当者の大きな負担になっていました。これが自動化されたことにより、担当者の負担軽減につながっています」と語ります。

管理業務が大きく軽減され、「攻めのIT」へシフト

Boxの導入は、社内のITインフラを統括するIT推進部にも変化をもたらしています。

「まず、ファイルサーバがなくなった事により、運用管理業務はもちろんのこと、毎月のように行っていたサーバリプレースの業務がなくなりました。また、アカウント管理もMKIのツールで楽にできるようになり、インフラ周りの担当者は確実に業務負荷が減っています」と柏崎氏。全社へのBox導入が完了した現在、同社のIT推進の陣頭指揮を取るIT推進部副部長の陶山正彦氏はBox導入の効果をこう語ります。

「Box導入により、サーバを定期的にリプレースする必要がなくなり、資産面でも業務面でもコスト低減を図ることができています。更に良い影響として、IT推進部部員の仕事に変革をもたらしつつあることです。これまでIT部門というのは、システムの運用管理が主業務となっていました。しかしBox導入によって、負荷が高かったサーバの運用管理業務から開放され、テレワークの基盤整備やBCP対策まで実現できました。同時期に導入を推進していったモバイルツールと合わせて、いわゆるDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進していくためのインフラが整った今、Boxによって作り出された時間によって、DXの具現化をいかにしていくかを考え始めています。 加えて、社員数や異動が多い中で、アカウントの管理をスムーズに進める必要がある、こういった日本独自の文化をどのように吸収するかも大きな懸念点でした。この点については『MKI Box管理者支援ツール』を活用して、運用の自動化を実現することによって解決することができました。」(陶山氏)

DXの推進に、さらなるMKIの支援を期待

今後の展望について柏崎氏は「現在、MKIには、BoxとServiceNowの支援をお願いしており、Boxに関しては定例会で利用状況などの確認や、新たな利用方法などの提案も頂いており引き続き支援をお願いしたいです。 それに加え、クラウド化によりIT担当者の意識変革も行えたので、今後はIT担当者がどのようにビジネスをドライブしていくかという点においてもアドバイスや支援を頂きたいと考えています」と語ってくださいました。

また陶山氏は「Boxの活用については、業務での新たな活用法、成功事例を社内で共有する活動を行っており、これが機能し始めています。また、約2,000名いるマンション管理員の雇用契約書のやり取りや、Box Captureを活用した管理員同士のマンション管理に関する情報共有も推進していきたいと考えています。 先ほどお話ししたとおり、DXに関しては基盤・環境が整ったので、今後は形にしていくフェイズに入っていきます。しかしながら社内だけでは知見などの限界もありますので、国内外の13のグループ会社も含め、MKIには他社の事例や新しいソリューションなど、DX推進にあたってのさまざまな情報提供や、支援を引き続きご提供いただきたいと考えています」と語ってくださいました。

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導入サービス

東急コミュニティー様について

TOKYU COMMUNITY

名称: 株式会社東急コミュニティー
所在地: 東京都世田谷区用賀四丁目10番1号世田谷ビジネススクエア タワー
事業内容: マンションの管理組合運営、維持保全管理を行うマンションサポート事業、オフィス、商業施設、教育施設や公共施設等の管理運営を行うビルマネジメント事業、これらの修繕、改修工事を行うリフォーム事業を手掛ける総合不動産管理会社。
ホームページ:https://www.tokyu-com.co.jp/