ローカル5Gとは?

ローカル5Gとは、携帯キャリアではない一般企業や自治体などが主体となり、個別のニーズに合わせて構築することが可能な自営用5Gネットワークです。
一般企業や自治体が限られたエリアで専用の周波数を割り当てられることで、高速大容量・超低遅延・多数同時接続の3つの特長をもつ5G(第5世代移動通信システム)を自社の業務に活用することができます。
携帯キャリアが提供するキャリア5Gと比較して、通信障害やネットワーク輻輳の影響を受けにくく、また自社の通信要件を満たせるようカスタマイズして5Gを構築できるといった特長があります。
ローカル5Gのメリット
メリット1:専有帯域による安定的で高品質な通信
免許により周波数を専有できるため、Wi-Fiの場合に生じる干渉の懸念がなく、キャリア5Gのように他の利用者の状況によって影響を受けることがありません。高速で低遅延な通信を安定的に利用することが可能です。
メリット2:ニーズに合わせた柔軟なネットワーク設計
キャリア5Gやプライベート5Gよりも柔軟な設計が可能なため、ニーズに合わせて最適な無線ネットワークの構築が可能です。
メリット3:高出力の無線機による広域エリアカバー
免許不要で使えるWi-Fiは低出力なため、カバーエリアが小さいという課題があります。ローカル5Gは高出力な電波発射が可能なため、大規模な施設や屋外の広域なエリアカバーに適しています。
ローカル5Gのユースケース
ローカル5Gは、あらゆる産業における新たな無線通信の活用手段として期待されています。

■製造(工場)
設備の遠隔制御やセンサーデータ収集で設備管理や生産ライン業務を効率化・省人化

■物流(倉庫)
高速で安定した通信環境を整備し、業務プロセスを自動化・省人化
物流業界を取り巻く事業環境の変化にDXで対応

■空港・湾港
業界の課題である人手不足に省人化で対応
安定した高速な通信環境をローカル5Gで構築

■プラント
危険な現場から離れた安全な遠隔地での作業を実現
無人化・省人化を実現するスマートプラントへ
よくあるご質問
ローカル5Gの無線局免許を取得した上で、無線従事者免許をもつ担当者が操作する環境を用意すれば利用可能です。当社では、無線局免許の取得や無線従事者の設置についてサポートしています。
土地を保有しているか、土地保有者から許可されている場合に、自己の土地に限定して免許を取得し、ローカル5Gを利用することが基本となります。自己の土地以外を含めてエリアカバーすることも可能ですが、免許取得時や利用時にいくつかの制約事項があります。
主な機器としては、ローカル5G端末・ローカル5G基地局・5Gコアネットワークが必要です。
キャリア5Gとは異なる周波数を利用するため、ローカル5Gの周波数に対応しており、技適を取得しているかを確認する必要があります。ローカル5G端末に関して情報提供しておりますので、当社までご相談ください。
キャリア5Gと同様に認証を行うためのSIMカードが必要になります。ローカル5Gベンダーから提供されることになるケースが大半で、当社の場合も提供内容に含まれています。
サブ6帯と呼ばれる周波数帯域のうち4.6~4.9GHz、ミリ波帯と呼ばれる周波数帯域のうち28.2~29.1GHzが割り当てられており、それぞれローカル5Gで利用可能です。
基本的にキャリア5Gは多くのユーザーに対して広域で画一的にサービスを提供するため、混雑時のサービス品質低下が起こり得るデメリットがあります。一方、ローカル5Gは特定のエリアで周波数帯域を専有できるため品質を維持しやすく、自社の要件を満たせるように独自の無線ネットワーク設計が可能なメリットがあります。
プライベート5Gはキャリア5Gのリソースを一部切り出す形で提供されるため、キャリア設備の通信障害の影響を受ける可能性がある一方で、ローカル5Gは専用設備であるためBCP対策としても有効であり、また無線ネットワーク設計の柔軟性が高いので、プライベート網のメリットを最大限生かすことが可能です。
Wi-Fiは免許不要で手軽に利用できる反面、誰でも利用できてしまうため干渉の懸念が大きく、一定の品質で継続して業務に利用したい場合に適さないケースがあります。一方、ローカル5Gは安定的に高品質な通信を利用することが可能であり、また免許を取得することで高出力の電波発射が可能なため、少ない台数で広域をカバーできるというメリットもあります。